デヴィ夫人「平手打ち騒動」青くなったTBS!「制作会社丸投げ」と「ヤラセ疑惑」

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   デヴィ夫人には2度ばかり会ったことがある。『週刊現代』編集長時代だからだいぶ前になるが、彼女が定宿にしていたホテルの部屋だったと記憶している。会った印象は気の強い女性だなという、ごく当たり前のものだった。無理もない。インドネシアの利権をもらおうと画策した政商たちのために、スカルノ大統領に『貢ぎ物』として差し出され、第三夫人にまでのし上がった「戦後の裏面史」を生きてきた人なのだから、生半可な女性ではない。

   スカルノ亡き後、インドネシアを離れ、日本に舞い戻ってきた彼女の心中はいかばかりであろう。だが、そうした怒りや哀しみを押し隠し、テレビのバラエティで『悪役』を演じ、怒りをぶちまけているのは、自分を『売った』祖国への恨みを晴らしているのではないか。彼女の出ているテレビを時々見ながら、そんなことを考えることがある。

   その彼女がまたワイドショーを賑わしている。番組出演中に出ていた素人の女性に平手打ちを喰らわせたというのだ。『週刊文春』を見てみよう。事件の舞台となったのは、バラエティー特番「奥様はモンスター2」(TBS系。1月15日午後7時放送)だった。

<「収録は一月九日、世田谷のレモンスタジオで行われました。司会はお笑い芸人ブラックマヨネーズの二人、ひな壇にはデヴィ夫人、西川史子、奈美悦子、吉本芸人トリオのパンサーらが並びました」(番組関係者)

   この番組にモンスター妻役として出演したのは、現役クラブホステスのA子さん(33)だ。

「彼女の設定は『女王様』。主夫の旦那はナンバーワンホステスの妻にかいがいしくマッサージをして癒し、妻がお茶と言えば深夜でもコンビニに走る。しかし、いくら尽くせど妻が浮気する……という再現VTRが流れた後で夫が現れました。いかにも尻に敷かれそうな気弱な男性です」(同)

   (略)ふてぶてしく座るA子さんは、ディレクターの指示通りに、デヴィ夫人に絡み始めた。「私もホステスやってますが、デヴィ夫人も赤坂の『コパカバーナ』にお勤めでしたね。どうやってインドネシア大統領夫人という玉の輿に乗れたんですかぁ?」

   小馬鹿にした言い方で挑発するA子さん。すると、デヴィ夫人の顔はみるみるこわばった。

   (略)その瞬間、デヴィ夫人は席を立ちツカツカとA子さんに歩み寄り、黙って右手を上げ、A子さんの顔めがけて振り下ろしたのである。右、左、右と三発食らわし、さらに四発目の拳を振り上げた時、飛び出してきたスタッフたちに羽交い締めにされた>(週刊文春)

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   デヴィ夫人はそのまま帰ってしまったが、その後、A子さんは成城署に被害届を出し大騒ぎになったというのだ。デヴィ夫人が暴力を振るったのは大人げないが、このA子さんも相当したたかな女性であることが判明する。『フライデー』(2011年6月17日号)に、自民党のイケメン政治家・後藤田正純代議士(44)の不倫が報じられたが、その相手がAさんだったのだ。御曹司政治家を手玉にとったというのである。

   担当刑事がデヴィ夫人との示談を勧めたが、交渉は難航した。デヴィ夫人の知人はこう憤る。<「A子は示談金をふっかけ、なんと1億要求してきた。結局、両者は示談金二百万円で和解した」

   しかしことはそれだけでは収まらないと週刊文春は追及している。そもそも、この番組はヤラセだった可能性がきわめて高いというのだ。<「確かに二人は一時期恋人同士で、同居していました。しかし、番組がニ人に出演依頼した当時、すでに別れていました」(A子さんの周辺人物)>

   番組は「完全実話」と銘打って放送されているから、これが事実ならば「ヤラセ」である。さらにこんな証言もあるという。<「じつはA子さんに支払われた示談金二百万円の一部は、TBS側が負担しているのです。収録現場は制作会社に任せきりで、局側の担当者が不在だった。それが露見したら、もっと大きな問題になる。他局の芸能ニュースではこのネタでもちきりなのに、TBSでは完全無視なのはそのためです」(TBS関係者)>

   実話だと思って見ている視聴者をバカにした話ではないかと怒ってみても、テレビでは日常的に行われているのだから、腹を立てるだけバカバカしい。デヴィ夫人の暴力沙汰が起きなければ、こうした内情が知られることはなかったのだから。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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