おととし(2012年)、改装してオリジナルの姿に戻った東京駅にミステリーがあるという。丸の内口にあるドームの天井には、干支のレリーフが埋め込まれているが、12あるはずが8つしかない。あとの4つはどこへいったのか。
ドームは8角形だから、スペースももともと8つしかない。はるかに高いところだから、見上げてもよく見えない。「干支かな?」「8つしかないから違うのか?」と、そんなことだった。
十二支のはずが、なぜか東西南北「子、卯、午、酉」がない八支
欠けているのは、子(ね)、卯(う)、午(うま)、酉(とり)の4つ。方位でいうと、ちょうど東西南北にあたる。何か意味があるのかと関係者の間で謎解きは続いていたのだが、それが見つかった。東京をはるか離れた佐賀県の武雄温泉にあった。
東京駅の設計者は近代建築の父といわれる辰野金吾(1854~1919)で、日銀本店や奈良ホテル本館など数多くの名建築を残している。出身は佐賀県で、武雄温泉にも彼の手になる「武雄温泉楼門」がある。竜宮城を思わせるような奇怪なデザインで、国指定の重要文化財でもある。
JR東日本の建築設計事務所の担当者がたまたま訪ね、そこに東京駅に欠けている4つの干支があるのを知った。楼門の2階の天井に通気口を兼ねた開口部があって、たしかに4つある。設計は東京駅と同じ時期で、県も「辰野さん遊び心だったんじゃないか」という。
きのう30日(2014年1月)、「とくダネ!」が訪ねてみると、卯と酉はあったが、子と午は「仲間に会いにいま東京へ行ってます」(武雄温泉)という。そう、あす2月1日、東京駅の8つと合わせて初めて一緒に展示されるという。
あす「2月1日」東京駅前で1日だけの勢揃い展示
なぜ東西南北だけが佐賀にあったのか。小松靖アナはここで「風水の理論にぶつかる」という。風水では、北東(丑寅)が鬼門、南西(未申)が裏鬼門といって、開口部や水回りの配置を避ける。北東から南西へのラインも不安定ラインで、東京駅のレリーフはこれを打ち消すために、北西(戌亥)から南東(辰巳)のラインを示す干支を置いたのだという。東西南北は要らないわけだ。
一方、東西南北の干支は東京駅からは縁起のよい東西ライン上の佐賀県に置いて、バランスをとった。全体として「日本の安定を願う配置」になるのだと、そんな解説だった。ホントかよ。
司会の羽鳥慎一「たまたまだったりして…。あ、つけ忘れちゃったとか」(笑い)
赤江珠緒キャスター「それはないでしょう」
羽鳥「(ドームの)あんなところにあるなんて、知ってましたか」
吉永みち子(作家)「駅ではみんな下を向いて歩いてるからねぇ」
羽鳥「丸の内北口?」
小松「南口にもあります」
駅前のJPタワー内の「東京シティアイ」地下1階で、2月1日正午から午後8時まで十二支が全部そろって展示される。むろんレプリカだが、「100年の時を超えた」勢揃いは、1日だけの特別展示だという。
長嶋一茂(スポーツキャスター)「ナゾが解けたのかどうか。集めちゃいけないものなのかもしれない」