童謡「カエルのうた」は輪唱になっているが、本物のカエルも輪唱していることがわかった。調べたのは理化学研究所と京都大学だが、どうやって解明したのか。「カエルホタル」というスマホくらいの大きさの装置にはマイクとLEDライトがついていて、近くで音がすると光る。これをニホンアマガエルの生息するところに40台置いて5日間記録した。
メスに気付かせるために「交互にズレ」
映像を見ると、真っ暗闇にずらりと並んだLEDがただ点滅しているだけのようだが、実はグループごとに鳴くタイミングをずらしていることがわかった。アマガエルのオスは1匹おきの2グループに分かれて、交互に1秒に3回鳴いていた。
理研脳科学総合研究センターの合原一究・研究員は「交互に鳴く理由のひとつはメスを呼ぶためです。つまりは求愛の歌で、交互に鳴いた方が遠くにいるメスに届きやすいというわけです」という。しかし、隣のオスとは一緒に鳴かない。小松靖アナは勝手に「縄張り意識」と解説した。「交互にやっているうちにだんだんぴったり合ってくるんだそうです」
合原研究員は「ニホンアマガエルに関して詳しく調べたのは、ボクらが初めてです」と胸を張る。萩谷順(法政大学法学部教授)は「何の役に立つかわからないけど、すごく楽しい研究ねだよね。イグ・ノーベル賞の候補になりますよ」
文
ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト