テレビの人気アニメ「サザエさん」で、磯野家のお父さん波平役を務めた声優の永井一郎がきのう27日(2014年1月)、広島市のホテルで亡くなっているのが見つかった。82歳だった。
永井は前日、中国放送の番組ナレーションを収録したあとホテルにチェックインし、27日にチェックアウトの予定だったが、午後0時半ころ、ホテル従業員が浴室で倒れているのを発見した。病院で死亡が確認され、死因は虚血性心疾患だった。
「ど根性ガエル」町田先生、「宇宙戦艦ヤマト」佐渡酒造、「じゃりん子チエ」小鉄…
永井さんは大阪出身。早くからアニメや映画で声優として活躍し、「サザエさん」のほか、「機動戦士ガンダム」のナレーション、「ど根性ガエル」の町田先生、「宇宙戦艦ヤマト」の佐渡酒造、「じゃりん子チエ」の小鉄など、幅広いキャラクターをこなした。
波平役は番組スタートの1969年からで足掛け45年。日本の頑固なお父さんを演じてきた。あの声は波平そのものだった。だからだろう。永井の映像が出ると、「え、この人!?」というくらいの落差がある。2002年の「徹子の部屋」でこう話していた。
「いつも怒っているようなイメージがあるんですね。叱ってるつもりはないんだけれどと言うんですが、『叱ってください』という。『そんなにボクは叱っているか』『いつも怒鳴ってるじゃないですか』と」
波平がいつも「おーい、サザエ」「カツオは何をやっとるんじゃ」「ばっかもん」とやっているイメージのことをいっているらしい。永井はまた「バカモン!波平ニッポンを叱る」という著書もあるが、表紙は怒っている波平だ。まさに頑固オヤジ。
おととい日曜日まで見てたのに、急にいなくなっっちゃうなんて…
司会の羽鳥慎一「サザエさんを見たことがない日本国民はいないでしょうね。テレビ局を越えてるアニメといっていいんじゃないか。82歳まで第一線ですよ」
舘野晴彦(月刊「ゲーテ」編集長)「現役最前線で亡くなるって、あらためてすごいことですよ」
舞の海(スポーツキャスター)「この声で育てられたような…。もう1人のお父さんです」
いわば同業の宮田佳代子(フリーキャスター)は「『朗読のすすめ』というバイブルのような本を書いてらっしゃる。朗読の心得、プロとしての心構えとか自覚とか。声だけなのに空間を作るという意識が強い方だなと思いました。それがねえ」
羽鳥「急ですよね」
宮田「おとといまで家族全員で見てたので…」
きょうから加わった玉川徹(テレビ朝日ディレクター)「ぼくは『ど根性ガエル』が好きだったですね。世代を超えてる」
赤江珠緒キャスター「喪失感がねぇ」
「サザエさん」を放送しているフジテレビによると、永井の最後の収録は23日で、2月9日放送の回まで永井の波平が出るという。