JR原宿駅前の名物だった「く」の字型の横断歩道橋がきのう26日(2014年1月)未明に姿を消した。表参道と駅前通りとの変形三叉路にかかり、原宿へ行けば誰もが渡った歩道橋だが、老朽化と景観を損ねていたため撤去された。ブリッジの脚と階段部分はまだあるが、今週金曜くらいにはこれもなくなる。
周辺住人高齢化で「上り下りキツイ」
撤去作業は午前1時から始まった。長さ20メートルの橋桁が切断され、ブロックごとにクレーンでトレーラーへ。午前3時半には道路部分の橋桁は見事になくなった。代わりに、当たり前だが、横断歩道ができた。40年ぶりに人が地上を歩けるようになった。
けさの原宿。道行く人は「あら、ない」「どうしてなくなっちゃったのかしら」とびっくりしている。「見通しがよくなった」「イメージ変わる」「スッキリはしたけれど…さびしい」とさまざま。なかには、気づかずに歩道を渡ってる人もいただろう。
表参道はいわずと知れた明治神宮への正面入り口だ。JRをまたぐ橋から代々木公園にかけての一帯は、かつて竹の子族の根城でもあったし、竹下通りのフィーバーから近年のクリスマスのライトアップまで、歩道橋はずっと見守ってきた。しかし、地元商店街は老朽化を懸念して、10年前から撤去を要請していた。また、高齢者は歩道橋を上るのはきつい。
そして、何よりも表参道から神宮を望んだときに景観を損ねていた。ではあろうが、これだけ長く損ねていれば、それは立派な歴史だろうに。なくなってみれば、狭く肩触れ合うように渡ったのが懐かしい。歩道橋の上から撮った写真はもはや貴重品というわけだ。