阿部利樹「3年以下の懲役か50万円以下の罰金」会社側の農薬公表遅く立証にカベ

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被害2843人出しながら、傷害罪でなく偽計業務妨害

   妻子のある阿部は工場関係者からどんな印象をもたれていたのだろうか。アクリフーズ群馬工場の木下好夫工場長は「新入社員の面倒をきちっと見られ、性格的にも明るい従業員でした」という。元従業員の印象は違っていた。「お調子者でつかみどころがない、常識がないというかな、トラブルがあったのは聞いていました」と話す。包装担当の従業員と口論になり、上司から「今度(トラブルを)起こしたら契約しない」と注意されていたという。

   厚労省によると、今回の混入事件でマラチオンの混入した商品を食べたと見られる購入者2843人が下痢や嘔吐などの症状を訴えており、本来なら傷害事件だ。しかし、弁護士の菊地幸夫によると、「毒物が混入されたことが立証でき、その商品が出回って購入した客が嘔吐、下痢の症状が出たことが繋がれば傷害罪の適応も可能だが、今回は会社側の警察への通知の遅れや発表の遅れから物証が乏しく難しい」という。

    結局、偽計業務妨害の疑いで逮捕となったわけだが、これだと3年以下の懲役または50万円以下の罰金で、住居侵入や器物損壊なみの刑だ。司会の加藤浩次は「少なくてびっくりした」とあきれ顔だ。

   会社の食品安全管理がズサンだったことは言い逃れできないうえ、そのズサンな管理を隠すためか、事件発生について速やかに対処しなかったことの意味は大きい。

文   モンブラン| 似顔絵 池田マコト
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