海外では裁判所・自治体が「面会交流」支援
民法には「面会交流」という規定がある。子どもと会うことを話し合いで決める、あるいは家裁での調停・審判になるが、実態は6、7割が実現できていない。
子どもの側の話もあった。40代の母親は8歳の娘を父親に会わせるとこにした。離婚後半年して、娘が学校でケンカすることが多くなった。友だちと遊んでいて、家庭内のいざこざをうかがわせるようなことがあると過敏に反応するのだった。同時に「お父さんに会いたい」と言うようになった。そこで自分もつきそって会わせた。月に1回2時間の面会。子どもの問題はなくなった。
兵庫県明石市では、離婚届と一緒に「こども養育プラン」を任意で出させている。面会交流の頻度、場所、連絡方法など具体的だ。「子どもに会わせなければいけない」が前提になっている。
5歳の娘をもつ40代の男性は意識を変えることで道を開いた。妻が出ていった頃は相手を責めるメールを送り続けた。しかし、実の母親の助言で気づいた。「子どもにとっては母親なんです。これを忘れないで」
裁判所は週に2回の面会を認め、妻も応じた。「子どもに悲しい思いをさせないように、お互い向き合っていきたい」と男性はいう。
こうしたケースはなお少数だ。棚村教授は「最初の段階でガイダンスが必要。次に専門家がサポートする。これを関係機関(自治体、裁判所)が支援する。海外ではそうなっています」という。
離婚届に判を押せば成立という日本は、むしろ例外なのだそうだ。「子どもの幸せ」のための枠組みを作る必要もあろう。しかし、その前に男が小さく弱くなってはいないだろうか。そっちの方がひっかかる。
ヤンヤン
*NHKクローズアップ現代(2014年1月23日放送「子どもに会えない父親たち~どう築く 離婚・別居後の関係~」)