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「週刊ポスト」老人セックス記事批判の50歳童貞教授に反駁!何がいけませんか?

   週刊文春が先週号に掲載した週刊現代、週刊ポストの「老人セックス特集」への批判記事に週刊ポストが反駁している。この論客は気鋭の思想家・仲正昌樹氏(金沢大学法学類教授)なる人物だが、文中で50歳近くになるがいまだ童貞だとカミングアウトもしていた。 これに対して週刊ポストは素早く反応した。

   <賛否両論の本誌「死ぬほどセックス」特集だが、「週刊文春」1月16日号「誰が読むの? 『現代』『ポスト』の老人セックス特集」という記事にはたじろいだ>と、そうとうショックだったことを隠さない。

   その気鋭の思想家・仲正氏と全面対決したというが、内容的には仲正氏のご意見拝聴で終始している。仲正氏のいい分はこうである。<「ポスト」のような社会派の雑誌が毎号、高齢者にセックスを勧めることに何か社会的意義があるのでしょうか。高齢者がセックスすることや性について語ることがタブーになっているなら、それを打ち破る意味がありますが、その種のタブーがあるとは思えない。つまり、すでにしている人は勝手にしているわけで、ことさら取り上げる意味がどこにあるのか。

   風俗雑誌ではない「ポスト」が高齢者の声を取り上げるなら、別のアプローチがあるはずです。たとえば、老人ストーカーや高齢者のエイズ問題を取り上げ、その中で高齢者特有の恋愛心理や性の技術を取り上げるならまだわかる。しかし、そうした記事はお飾り程度で、実際にはただセックスを煽っているだけに見えます>

   そう、週刊ポストや週刊現代はただセックスを煽っているだけなのだ。だが、それのどこがいけないのか筆者にはわからない。週刊ポストはセックスを体験しないと一人前じゃないという考え方もありますがと、50歳童貞の仲正氏に聞いている。

<「そういう社会的プレッシャーを乗り切れば、しなくてもいいという人はいると思います。実際、50歳までセックスの経験がない人って、よく聞きますよ。50歳の男性のうち間違いなく数%はいる。
   若い人の場合、実際の性欲以上に、そういう社会的プレッシャーに動かされ、セックスするのだと思います。特に、女性経験を武勇伝的に語りたがる安保世代や全共闘世代にはその傾向が強かった。ただ、彼らが社会の一線から退き、社会的プレッシャーが弱まっているからこそ、若い人の草食化が進んでいるのだと思います。高齢者のセックス特集には、そういう世代の最後の悪あがきという側面もあるのでは?」>

   最後に仲正氏は一生童貞を続けるのかという不躾な問いには、<「相手によります。セックスを排除しているわけではないので。ただ、そうなる確率は低いと思います。(中略)それに、もしそうなっても考えは変わりません。セックスは絶対不可欠ではないって」>

   仲正氏には失礼だが、こうしたちょっと風変わりな人に死ぬまでセックスなどと説いても馬の耳に念仏だろう。だが、こうした意見に「たじろぐ」なら、後ろめたさがあるのなら、やめたほうがいいかもしれない。「たかがセックス、されどセックス」と腹をくくらなければ、読者もついてこないはずだ。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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