警視庁町田署はきのう23日(2014年1月)、鹿児島県の自営業・倉地庸嗣容疑者(41)を放火未遂などで逮捕した。2人の女性に東京の建築会社のビルに放火させた疑いだ。連行されるとき、倉地はなぜかカメラに向かって手を振っていた。容疑も否認しているという。
報酬は15万円と24万円
倉地のサイトには「闇ツールには利用制限はありません。お客様の自己責任で自由に利用できます。偽造専門店 証明屋」とあり、運転免許証から各種証明書の写真が並ぶ。「これらを偽造します。ただしその先は自己責任で」ということだ。このサイトで年間1000万円以上の売り上げを得ていたとみられる。
倉地は鹿児島市内に立てた住宅で、「設計図とできた建物が違う」と建てたメーカー(東京・町田市)とトラブルになっていて、サイトのスタッフ募集に応じてきた神戸の主婦(52)と京都の看護助手(31)にこのメーカーに放火するよう手紙で指示をし、2人は指示通りに実行した。火はすぐに消し止められ、逃げ去る2人が目撃されていた。
2人は他にも、倉地の指示で東京・渋谷区のビルと港区内のビルに放火したり、広島県の住宅のポストにコオロギ数十匹を放ったりしていた。報酬としてそれぞれ15万円と24万円を受け取っていた。女たちは「生活費に困っていた」「仕事がなくてお金がほしかった」といっているという。
こうした犯罪に詳しい落合洋司弁護士は、「ネットの負の側面。簡単に知り合って、捕まることもないから、5万円、10万円すぐ手に入るというふうな言い方をされると、ついはいってしまう」と話す。
後手に回る取締り・捜査
司会の羽鳥慎一「闇サイトはなんとか取り締まらないと…。後を絶たない」
赤江珠緒キャスター「人命にはいたらなかったが、放火にまで」
取材をした高村智庸レポーターは「この証明屋というのは、偽造の免許証とか卒業証書とかをつくっていました。そのスタッフ募集で2人がかかわることになりました」
羽鳥「偽造の免許証は取り締まれないんですか」
高村「それだけでは取り締まれないんです」
羽鳥「取り締まれない?」
高村「使えば犯罪ですが、作るだけなら違法じゃない。今回は免許証で捕まったヤツがいて、サイトがわかっていたんです」
飯田泰之(明治大准教授)「今回は闇サイトの仕事じゃなくて、放火で事件になった。もしこれが海外に拠点をもっていたりしたら、わからないかもしれないですよね」
高村「『拳銃売ります』『覚せい剤あります』といったら犯罪だが、スタッフ募集では…」
そうじゃないだろう。「偽造免許証」をなぜ取り締まれないのかだ。どうも話の詰めが甘い。