闇サイトを通じて、まったく面識のない女たちに放火を指示した男が放火未遂などの疑いで倉地庸嗣容疑者(41)が逮捕された。この男、連行されるときも報道陣のカメラに向い滑稽なしぐさで手を振るなど悪びれた様子がまるでない。
放火未遂があったのは東京・町田市の住宅メーカーのビルで、2012年8月3日午前2時過ぎ、1階の自動ドアをバールでこじ開け、隙間からガソリンを注いで火のついた新聞紙を投げ込んだ。幸い駆けつけた警察官が消し止め、、マットなどを焼いただけだった。
52歳主婦と31歳看護助手
放火したのは兵庫県神戸市に住む52歳の主婦と京都府京丹後市に住む31歳の看護助手の女で、鹿児島県鹿屋市に住んでいた倉地が2人に指示して放火させていた。倉地は自宅を新築する際に住宅メーカーとトラブルになり、放火されたビルはこの住宅メーカーが入っていた。ほかにも、東京・渋谷区と港区でのビルにも2人の女に放火させていた疑いも浮上している。
倉地と一面識もなかった女たちを結びつけたのが闇サイトだった。倉地は免許証や卒業証明書の偽造する「証明屋」と称する闇サイトを運営していて、このサイトで募集していたスタッフに応募してきたのが2人の女だった。
52歳の女は免許証の偽造や英訳ができることから、英文による誹謗中傷の文章を作成、看護助手は偽造免許証を使い携帯電話を購入して倉地に渡し、それぞれ報酬を受け取ったという。
免許証・卒業証書の偽造屋
取材した大竹真レポーターは「女たちは匿名なので本当の名前を知らなかったらしいです。匿名でできるのでバレないと思い、深みにはまっていったようです」と話す。
犯罪の温床になっている闇サイトについて、弁護士の菊池幸夫は「お互いに面識もない、匿名性を保ったまま連携した行動ができるという、ネット社会の特性が犯罪を引き起こしています。どう規制することができるか、犯罪を未然に防ぐ方法はないか、これから研究していく必要があります」と指摘する。
最後に、気になったことをひと言。逮捕の日付について、大竹は「きのう(23日)」と言い、ナレーションでは「おととい(22日)」と言っていた。細かいことだが、「スッキリ!!」ではけっこうこの手の間違いが多い。さらにこの日は、画面に表示した容疑者の名前を間違っていた。