裁判員初めて死刑囚に直接質問
中川がオウム真理教に入信するきっかけが平田とのかかわりだった。中川の証言によると、京都府立医大に通っていたときに、「体の中を光がのぼったり、犬の声が人の話に聞こえる理不思議な体験をしました。雑誌などで知っていたオウム真理教に電話で相談したとき、受けたのが平田被告だった。非常に丁寧に真面目に話してくれたという印象でした」と証言した。
その電話をきっかけに、中川はオウムのヨガ道場に通うことになるが、このときの好印象が中川の運命を変えたともいえる。
評論家の宮崎哲弥「事件に無関心な若い人が増え、オウムの流れをくむ団体に入る人もいます。11件、25人の死に関与したオウム事件をもう1度考え直すのに、この裁判は意味があるとおもいますね」
裁判員による死刑囚への質問は初めてだが、阿部によると今回の裁判員の多くは20歳代後半という。2月3、4日に開かれる公判には、仮谷事務長拉致事件のリーダーだった教団幹部の井上嘉浩死刑囚が出廷する。
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モンブラン| 似顔絵 池田マコト