間もなくソチ五輪!IOC悩ます「巧妙ドーピング」従来の尿・血液検査すり抜け

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   2月7日(2014年)に開幕するソチ冬季オリンピックで、IOC(国際オリンピック委員会)を悩ませているのが「見えないドーピング」だ。新しい薬物や使用法が広がっていて、これまでの検査手法ではすり抜ける可能性が高いと指摘されているからだ。IOC会長は「冬季五輪最大の検査態勢を敷く」と厳しい姿勢を示しているが、どこまで徹底できるか。華やかな五輪の裏で繰り広げられる攻防を取り上げた。

違反処分の米大リーグのアレックス・ロドリゲス「1度もばれたことないよ」

   キャスターの内多勝康は「これまでドーピング検査は尿や血液検査が主流でした。しかし、ドーピングの手法は年々巧妙化し、これまでの検査手法は限界を迎えつつあります」と伝えた。

   11日にドーピング違反で処分が決まったアメリカ大リーグのアレックス・ロドリゲス選手は、検査を数年間すり抜けてきたと見られるが、処分決定後にメールで「自分は1度もドーピング検査に引っかかったことはない」とうそぶいている。

   国際的な自転車レース「ツール・ド・フランス」で7度の優勝を飾りながら、ドーピングで自転車レース界から永久追放となったランス・アームストロング選手もこう話す。「(ツール・ド・フランスは)持久力が必要なレースで、薬物なしで勝つことはできない。私の場合はチームの医師や専門家が一緒になってドーピング検査の抜け道をさがした。ドーピングはスポーツというよりビジネスになっている。もう後戻りはできない」

   なぜドーピングを摘発できないのか。友添秀則・早稲田大学スポーツ科学学術院教授は「検査の目をかいくぐるために巨額の資金が動いています。一方、摘発する方は尿検査で1体10万円。血液検査はそれ以上かかるといわれ、資金的にも人材面でも限界を迎えつつあります」と説明した。

つけ込むマフィアやシンジケート…闇勢力に弱み握られ八百長

   ドーピングビジネスの背後にはマフィアやシンジケートの存在がある。「闇社会はスポーツ選手たちに禁止薬物を渡すことによって選手の弱みを握れます。その弱みを逆手に取り、脅迫などで八百長試合をさせるなどの危険が高まっています」(内多)

   友添教授「この現状を放置すれば、やがては中学生までもがドーピングに手を染めるという可能性があります。ドーピングを根絶するためには、勝利至上という選手の心のあり方を変える必要があります。スポーツの公平性を守るためにはドーピング検査は必要で、そのための教育が重要です」

ナオジン

NHKクローズアップ現代(2014年1月20日放送「『見えない』ドーピング 最前線の攻防」)

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