静岡県浜松市内の複数の小学校で謎の多い集団食中毒が発生した。16日朝(2014年1月)、嘔吐や下痢などがひどいため欠席するという保護者からの連絡が相次いだ。市教育委員会によると、合わせて14の小学校で905人の児童と40人の教諭が欠席・欠勤しており、12校を学校閉鎖、2校を学級閉鎖にした。重症者はいないという。
浜松市の保健所で児童の便を検査したところ、11の検体からノロウイルスが検出され、ノロウイルスによる食中毒と見て調べている。
前例がないこれほどの「同時多発」
症状を訴えたのは、隣接する磐田市に近い直径11キロの範囲にある小学校だ。新ゆり病院の高橋央院長は「結婚式場や介護老人施設など、1箇所で百人単位の感染は聞いたことがあるが、1000人に近い数で感染したのはあまりないこと」という。
一般的にノロウイルスの感染経路は、感染した人に直接触れる、便や嘔吐物に触れる、空気中のウイルスを吸い込むなどがほとんどで、1箇所に集中して発生する。今回のようにそれぞれ離れた学校で多数の児童や教諭が同時に感染するのは前例がない。
感染源として考えられるのは給食用の食材だが、市教委保健給食課の寺田聖子課長は「14校で共通した食材は出汁を取るサバの削り節だが、給食はすべて各学校で調理し、文科省の基準に従って加熱している」という。ただ、パンと牛乳は14校共通して仕入れ、加熱しないで食されている。
司会の加藤浩次「そうなると、パンや牛乳を運搬する業者の中にノロウイルスに感染した人がいて、そこから各学校にバラ撒かれた可能性があるということですね」
弁護士の菊池幸男「逆に、なぜ14校だけなのかということも謎ですよ。共通の運搬経路を持っている学校は他にないのか。原因を突き止めないとまた起きますから、早く原因究明をして欲しい」