安倍首相の背筋が凍りついた「アメリカの安倍NO」と「天皇陛下の戦後民主化評価」
順風満帆に見えた安倍総理にとって、思わぬ逆風が吹いてきたようだが、ことは国内だけのことではないようだ。週刊ポストは「安倍晋三はアメリカに潰される!」と報じている。知日派の米国シンクタンクの安全保障専門家が、安倍首相はアメリカを甘く見ていると本質を見誤ると、こう指摘している。
<「安倍首相は、憲法改正や集団的自衛権は日米同盟を強化するもので、米国は歓迎するはずだと考えている。
しかし、米国の反応はそう単純ではない。オバマ政権は、安倍首相の目的は、第二次大戦後の世界秩序を定めたサンフランシスコ条約そのものを否定して、日本が独自の軍備増強に走るためではないかという疑いを強く抱いている。いまは中国に対抗するという口実だが、いずれ、反米ナショナリズムに向かうという危惧だ。
だから、小泉首相の靖国参拝には何もいわなかったのに、安倍首相の参拝には敏感に反応した。安倍が憲法解釈の変更などと同時に河野談話の見直しにまで踏み込むようなら、オバマ政権内の安倍警戒論が強まり、本気で"安倍NO"を突き付ける可能性がある」>
さらに週刊ポストは、安倍首相の命取りになるのはアメリカだけではなく、天皇陛下だとも書いている。80歳になった天皇が昨年12月23日の誕生日会見で、歴史認識についてこう踏み込んだ発言をしたことが、安倍首相の躓きになると見ているのだ。
<「戦後、連合国軍の占領下にあった日本は、平和と民主主義を守るべき大切なものとして、日本国憲法を作り、様々な改革を行って、今日の日本を築きました。
戦争で荒廃した国土を立て直し、かつ、改善していくために当時の我が国の人々の払った努力に対し、深い感謝の気持ちを抱いています。
また、当時の知日派の米国人の協力も忘れてはならないことと思います」>
安倍総理の「戦後レジームからの脱却」に真っ向から異を唱える発言である。景気が少しよくなってきただけで浮かれていた安倍首相にとって、背筋が寒くなる内憂外患であろう。