「またかという感じがありますね」(司会の加藤浩次)
広島県大竹市の阿多田島沖で海上自衛隊の輸送艦「おおすみ」と釣り船「とびうお」が衝突し、転覆した釣り船から4人が海に投げ出され、船長の高森昶さん(67)と乗客の大竹宏治さん(66)が死亡した。
穏やかな海で何が起こったのか?直前にけたたましい5回の警笛
天候は晴。風速は0.3メートル。波も穏やかだった中でいったい何があったのか。救助された乗客の寺岡章二さん(67)の証言によると、次のような状況だった。
「最初、『おおすみ』は釣り舟の左側前方を航行していたが、釣り船が追い抜くと進路を変え、釣り船の右側を追い越していったんです。そのあと汽笛が4~5回鳴り、右横を見たら『おおすみ』がいた。船長もびっくりしたような顔をして横を向いていました。船長は後ろから『おおすみ』が来ていることに気がついていなかったようです」
釣り船が「おおすみ」に衝突した箇所は右船腹の中央より少し後部寄りだった。平行して航行していれば衝突するはずがないのだから、どちらかが相手船に気付かず進路を変えようとしたのだろうか。
5回鳴ったのは警笛は輸送艦のものだったのか。これについて海事専門の津留崎裕弁護士は、「5回というのが正しければ、疑問信号です。相手船の動きが分からないか、衝突を回避する動作が分からない場合に5回鳴らすのが国際ルールになっています」という。
文
モンブラン| 似顔絵 池田マコト