元首相同士がタッグを組み、脱原発を争点に都知事選に挑むことになった。細川護煕元首相(76)は14日(2014年1月)、都内のホテルで小泉純一郎元首相と会談し、全面支援を得て立候補を決断した。
小泉元首相「原発ゼロで日本発展か、原発頼みかの戦い」
会談を終えて2人揃って会見に応じた。細川が決断に至った経緯をこう語った。「小泉元首相の強力なご支援をお願いしたいと申し上げた。小泉元首相から『よし、自分もやるから』というお話しをいただいたので心強く思っています。今の日本のさまざまな問題、とくに原発の問題などについて、私は非常に国の存亡に関わる問題と危機感を持っています」
政界を引退したのは20年前で、いらい陶芸家として創作活動を続けてきたが、原発問題を危急存亡のときと感じたのだろう。理由は明快だった。全面支持を約束した小泉も簡明だった。
「昨年10月にお会いして、この国の形をどうするか、とくに原発の問題で共感できことがたくさんあったものですから。『私も喜んで積極的に細川さん当選のためにがんばる』とお伝えしました。演説会あるいはさまざまな会合があると思います。そういう場で私が出てもいいのなら出て細川支持を訴えますよ」
「今回の選挙は『原発は都政は関係ない』という人もいますけど、私が一番重視しているのは原発をどうするかです。私が細川さんを支持する最大の理由は原発がなくても日本は発展できる。東京が原発なしでやっていける姿を見せれば、必ず国を変えることができる。その点に私は最大の支援を注ぐ価値があると感じました。原発ゼロでも日本は発展できると考えるグループと原発なくして発展はできないと考えるグループの争いだ」
父親と自民党の板挟みになっている息子の小泉進次郎議員どういっているのか。「そもそも除名した人(舛添候補)を支援することも、除名された方が支援を受けるのも、私はどっちもどっちと思う」と冷ややかだ。
東電の大株主として「柏崎刈羽原発」再稼働どうするか
気になるのは自民党東京都連の支援を得て立候補を表明している舛添要一元厚労相が、漠然としているものの「私も脱原発を言い続けている」と発言していることだ。脱原発か原発再稼働かという天下分け目の争いが争点ボケになる可能性がある。
キャスターのテリー伊藤「小泉さんのやり方は、いつも1つの政策だけでヤーッと切り出すんですよね。非常に分かりやすい感じですが、都民が一番望んでいるのは福祉、震災に対する危機感、五輪の成功で、ほとんどの都民が思っているというデータが出ている。ここにまったく違う原発の問題を持ってきた。都民も戸惑っている部分があると思います」
どちらかといえば、原発再稼働派か。これに対して評論家の宮崎哲弥は「私は基本的に脱原発の方向性は賛成なんですけども、首都の首長として脱原発の具体性、都として何ができるのか。1つは、都が大株主の東電への影響力。たとえば、柏崎刈羽原発を止めていくのかがポイントになると思います」という。
細川は17日に会見し、具体的な政策について述べると話ているが、脱原発の具体的な方向を述べないとぼやけてしまうことになりかねない。