たくあんが人気だという。小松靖アナが「缶詰めなので、外国人旅行者がおみやげにもっていく」というと、司会の羽鳥慎一が「ふーん」と妙な声を出した。たしかに、たくあんは納豆と並んで、外国人が嫌がるメニューの代表選手だったはず。それが来月(2014年2月)にはハワイに進出するのだという。
アメリカ人シェフ「おいしい。ボクは好きだね」
缶詰たくあんの発祥(?)の地は宮崎だった。宮崎空港の売店の一角に「たくあん」という小さな缶詰めが並んでいる。「梅酢味」「こんぶ味」「とうがらし味」の三種類。「珍しいといわれて買われる方が多いですね。缶詰めなので、機内でも臭わない」と女性店長はいう。
むろん羽田空港にもあって、外国人にも人気だというから驚きだ。「モーニングバード!」が浅草で外国人観光客に食べさせてみたところ、みんなパクパクやって「おいしい」。レストランのシェフというアメリカ人は「おいしい。ボクは好きだね」という。まさに隔世の感。
実は宮崎・田野町は日本一の干し大根の産地だ。合掌造りのように組んだ「干しやぐら」は高さ5メートル、長さ30~40メートルにわたってびっしりと吊り下げられた様は壮観だ。全部たくあんになるのだが、これを缶詰めにと考えたのは、道本食品の道本英之社長だ。
「缶詰めにして、おや?と思わせたかった」という。ヒントは自衛隊の戦闘食にあった「たくわん漬」。4年前に見つけて、宮崎大根で試行錯誤3年の末、常温で3年間保存可能な缶詰めを完成させた。これが受けた。普通の真空パックだったら4か月から6か月が賞味期限だ。
発売とともに商社から輸出の商談がくるようになり、目下は英語の会社案内を作っていた。「今度、ハワイで商談会がありますので」。道本社長は「もともとは宮崎のおみやげだったんですけど、日本のおみやげになった。どうぞ名脇役のたくあんもかじってみてくださいよと」という。
英語名は「ピクルド・ダイコン」「ピクルド・ラディッシュ」
スタジオに持ち込んでプルトップを開けると、においを嗅いで「うん、ザ・たくあん」と羽鳥。2、3人で食べきれる大きさだ。
ジャーナリストの堀潤「いま日本のうまみというのが世界中に浸透していて…。うまみ成分そのものですよね」
小松「『うまみ』は英語になってますよね」
舘野晴彦(月刊「ゲーテ」編集長)「ピクルスみたいなものかな」
小松「英語名が『ピクルド・ダイコン』『ピクルド・ラディッシュ』」
堀「たくわんで売り込んでほしい」(笑い)
国内の漬け物生産量は年々減っていて、02年には120万トン近くあったものが、12年には70万トン余。そういえば、 スーパーでも漬け物の種類が少なくなっている。
小松「日本人が漬け物を食べなくなっている。羽鳥さん、食べてますか」
羽鳥「食べてますよ(なぜか爆笑)。飲むとき(笑い)。ごはん炊くのは面倒くさいですけど」
にしても、これ、「たくあん」という名だ。「たくわん(和尚)」ではなかったのかな。どちらもワープロでは「沢庵」になる。