久しぶりに『伊達直人』の名前が登場した。児童養護施設で育ち、13日(2014年1月)に成人式を迎えた3人の女性にレンタルの振袖と着付けやメイクを合わせて無償のプレゼントがあったのだ。
伊達直人が初めて登場したのは2010年のクリスマスだった。群馬県の中央児童相談所にタイガーマスクの主人公・伊達直人の名前で新品のランドセル10個が届いた。これがきっかけで日本中に伊達直人を名乗る人物が現れ、タイガーマスク運動と呼ばれる児童養護施設などへの寄付活動が盛り上がった。
「僕も成人式に出たかったけど、支援してくれる人も甘えさせてくれる人もいなかった」
今回は、この初代の伊達直人の呼びかけで、成人式を迎えた女性たちへのプレゼントが実現したという。群馬県前橋市に住んでいる初代の伊達直人氏に呼びかけの狙い聞いたところ、こんな答えが返ってきた。
「僕は母親が3歳のときに亡くなり、実の父親と思っていた人から『俺の子どもじゃない』といわれた。小学校にあがった時はランドセルもなくて、サンタさんに『ランドセルが欲しい』と手紙を書いたけど叶わなかった。成人式に出たいけど、自分を支援し甘えさせてくれる人がいない。自分がそうだったから」
伊達直人は今後も子どもたちへの支援を続けていくという。司会の加藤浩次は「ご自分もそういう環境だったということなんですね。気持はわかります」といい、精神科医の香山リカは「多くの人に広まっていって、自分の身近にいる困っている人、助けを必要としている人に、気軽でいいから親切にしてあげるという雰囲気が広がるといい」とほほ笑んだ。
文
モンブラン| 似顔絵 池田マコト