エクアドル「新婚夫婦殺傷強盗」直前にホテル手配のタクシーとトラブル
年末12月28日に起きたエクアドル最大の都市グアヤキル市の日本人新婚夫婦襲撃事件は、大きな衝撃を与えた。グアヤキル市は世界自然遺産のガラパゴス諸島へ向かうための中継地点としても知られている。『週刊新潮』で外信部記者がこう解説している。
<「エクアドルの通貨は米ドルなのですが、そのホテルは1泊150ドルから200ドル。平均年収4000ドル程度のエクアドルでは高級ホテルです。事件のあった夜、2人はそのホテルが手配したタクシーの運転手と料金のことで揉め、結局、路上で流しのタクシーを拾って、別のホテルのレストランに出掛けました。帰りも流しのタクシーを拾って、ホテルに戻る途中、犯行グループに襲撃されたのです」>
夫の人見哲生さん(30)は3発の銃弾を胸などに浴びて即死、妻の真梨子さん(27)も腹部と右足を撃たれ重体である。
グアヤキル市はエクアドルの中でも凶悪犯罪の発生率が高く、日本の外務省は渡航注意の危険情報を出していた。とりわけ、夫妻を襲った犯行は「特急誘拐」と呼ばれ、昨年1年間だけで177件も起きているというのである。現地駐在員の話では、<「『特急誘拐』で、重要な役割を担うのは、流しのタクシー運転手です。カモになりそうな乗客を乗せると携帯電話で連絡を取り、待ち合わせ場所で銃を持った仲間が乗り込んでくる。そして、乗客の金品を奪い取り、なおかつ、ATMまで連れて行ってクレジットカードで現金を引き出させるというもの」>
だが、抵抗しなければ身体に危害を加えることはないという。
ホテルに並ぶタクシーはホテル関連会社の運営で、運転手の名前などもホテルに登録されているから安全だが、流しは個人営業みたいなもので、これまでも乗客が犯罪に巻き込まれるケースがたびたび発生し、現地の外国人は警戒して利用しないという。
人見さんの遺体には争った跡があったと報じられている。妻を護ろうとして揉めたのだろうか。私もよく外国に行くが、これからはタクシーに乗るときは細心の注意が必要なこと、心しておきたい。