経産省の「原発国費処理」に反発する財務省ひそかにバックアップ
また、週刊ポストは官邸が警戒する理由は他にもあるという。<安倍政権が原発推進に突き進んでいるのは、今井尚哉・総理首席秘書官(元資源エネルギー庁次長)をはじめとする経産省の原発マフィア官僚が官邸中枢を押さえていることが大きい。それに対して、小泉氏の脱原発運動は、背後で財務省が支援してると見られているからだ。
『経産省は福島原発の事故処理に国費を投入し、そのうえで他の原発を再稼働させようとしている。そうなると、将来、廃炉費用や核廃棄物の処理費用はすべて国の負担になる可能性が強い。財務省は、原発推進と原発ゼロにするケースとで、最終的な国の負担はどちらが少ないかを研究するチームを発足させ、試算を行っているが、結果は明らかだろう。だから小泉さんをひそかにバックアップしている。財務省がバックにいるとなれば、財界からも小泉さんに同調して原発ゼロの意見が出てくる可能性が高い。官邸はそれを心配している』(自民党幹部)>
週刊ポストはさらに今年は1月19日投開票の沖縄名護市長選、2月9日に東京都知事選と続き、4月27日には徳洲会事件で失職が確実とみられている徳田毅代議士(自民党離党)の衆議院鹿児島2区補欠選挙が行われる。この選挙は4月1日から消費税が8パーセントに引き上げられた直後のため、その影響が直撃するといわれているから、自民党は苦戦必至である。
6月には日本経団連総会で財界トップが交代するが、そこで脱原発派の会長が選ばれる可能性もあると週刊ポストは書いている。猪瀬直樹前都知事とタッグを組んで東京五輪招致に成功した安倍首相だが、猪瀬氏はスキャンダルでその座を追われた。脱原発派が都知事になれば、東京が安倍政権を崩壊させる引き金になりそうである。