イタリア1部リーグ(セリエA)のACミランの入団会見に臨んだサッカー日本代表の本田圭佑選手(27)は、英語を使って堂々と応対してこれまでのスポーツ選手にはなかった見せ場を作った。トップニュースで伝えた司会の加藤浩次も感激し、「僕が生きている間で(こんなシーンは)ないかと思いましたが、ありましたねえ」と褒めちぎる。
ポジション希望は「トップ下」
迎えたACミラン側の歓迎ぶりも異例だった。イタリア・ミラノ市の本拠スタジアムに特設された会見場にはイタリアや日本からの報道陣100人以上が集まり、会見がテレビで生中継されるのも異例なら、ロゴマークが飾られたのも異例だった。見ると、本田のエース番号「10」のゼロが日の丸を意識して赤、そのなかに本田の横顔がデザインされていた。
現在、国内リーグ11位で低迷中とはいえ、ACミランといえば1899年(明治32年)に創設され、国内リーグのセリエA優勝18回、ヨーロッパクラブナンバー1を決めるチャンピオンズ・リーグ優勝7回、世界1が4回という輝かしい戦績を残す名門中の名門である。そんな名門チームに異例ずくめで迎えられた本田と記者たちのやり取りは、なかなか見せた。
―ACミランに来て印象はどうか。
本田「とてもワクワクしています。毎日、毎日幸せです。いろいろ期待があるのは分かっています。その期待にこたえないといけない。たくさんゴールやアシストを決められるよう最善を尽くしたい」
―エース番号「10番」を意識しているか。
本田「私の夢が実現した。本当に嬉しかった。12歳の頃、いつかサッカー選手としてセリエAでプレーしたいと作文に書いた。10番をつけてここに来たいと願っていました」
―ACミランを選んだのはなぜか。
本田「簡単なことです。自分の胸の中の『リトル本田』に聞いたんです。どのクラブでお前はプレーしたいんだと。そしたらACミランでプレーしたいんだと」
―ACミランではどのポジションで出たい?
本田「どのポジションでもできるが、選べるならトップ下でプレーしたい。そこが自分のポジションだと思っていますから」
トップ下とはチームの攻撃の中心となる司令塔で、照れもせずに堂々と言ってのけた。さらにこんな意地悪な質問も。
―いつもサングラスとかけているが目が悪いのか。
本田「この質問は1000回以上聞かされた。これは天気が気になるとか太陽が気になるとかではなく、単なるファッションです」