「大人になったら世界一のサッカー選手になって、セリエAで10番をつけて活躍します」
12歳の時の小学校の卒業文集に書いた夢を、これほど見事に実現するとは驚くばかりだ。サッカー日本代表MFの本田圭佑(27)のイタリア1部リーグ(セリエA)のACミランへの入団記者会見がきのう8日(2014年1月)、ミラノ市内の本拠地のスタジアムで行われた。「ビッグマウス」の異名に違わず、約200人の記者を前に30分の受け答えをすべて英語でこなす堂々たる会見だった。
三つ揃えのダークスーツに濃いエンジのネクタイ、サングラス…
本田は三つ揃えのダークスーツに濃いエンジのネクタイで現れた。緊張した表情だったが、「何をすべきかわかっている。プロのサッカー選手の模範として振る舞いたいと思っている」と抱負を語った。サムライ精神とは何かと聞かれ、「サムライには会ったことがない」と笑わせながら、「日本の男性は決してあきらめず、強い精神力と規律正しさをもっている。ピッチでそれを見せたい」と今後の活躍に自信を見せた。
質問はファッションにも及び、サングラスについて聞かれ、「この質問は1000回以上受けました。単なるファッションです」と受け流す。英語は10代のころから、練習が終わった後に1人で英会話教室に通って身に付けたそうだ。
「セリエAの背番号10番」とはどんなものか。元日本代表の武田修宏は「野球でいえば巨人の4番、長嶋さん、王さん。紅白歌合戦でいえば北島三郎さんみたいな大トリ。それぐらいトップの中のトップ」と解説する。
記者会見場はスタジアムのVIPルームだったが、ここで会見したのは、長い歴史の中でイングランドのベッカムら本田を含め4人しかいないそうだ。辛口で知られるイタリアのスポーツ新聞も、前向きな本田のコメントを見出しに使う歓迎ぶりで、否定的なニュアンスは何もなかった。
セリエA先輩・長友佑都「イタリアは褒めてもくれるけど、調子悪いとボロクソ」
そんな中、ちょっと待ったをかけたのが、同じセリエAのインテル・ミラノの長友佑都(27)だ。「イタリアはいい時は持ち上げてくれるが、悪い時は世界で一番厳しいのではないかと思うくらい叩かれる。そんなことで動じないと思うが」とアドバイスしている。
メーンキャスターの小倉智昭「なかなかいい会見でしたね」
本田は小学校の卒業文集でもうひとつ夢を語っている。「Wカップの決勝戦でブラジルを2対1で破りたいです」。その夢も是非実現してもらいたいものだ。
キャスターの菊川怜「小倉さんも夢を書いたらどうですか」
小倉「今更もう遅いです」