「前代未聞だと思うんですが、こんなことで逮捕することもできるんですね」
メーンキャスターの小倉智昭が首をひねりながら紹介した。おととい7日(2014年1月)、奈良県の介護士・川畑真麻容疑者(28)が妻と前夫との間に生まれた小学校3年の長男(9)に、残虐なシーンのあるテレビゲームを無理やりやらせたとして、強要の疑いで逮捕された。
18禁「銃で撃ち殺したり、轢き殺したり、ビルから蹴り落としたり…」
「このゲームなんですけど、私も見たんですが」とアナウンサーの笠井信輔が伝える。「かなり残酷なゲームです。暗黒街で依頼を受けて人を銃で撃ち殺したり、盗んだ車で人を轢き殺したり。さらには、命ごいする人をビルから蹴り落としたりするゲームなんです。大変いやらしいシーンも含まれていて、18歳未満はやってはいけませんというゲームなんです」
長男がいやがると、「アホ、ボケ」「死ね」「お父ちゃんの知り合いにはヤクザもいる」などと暴言を吐いて脅したという。報道によると、川畑は容疑を否認している。
ストレスで腹痛、吐き気、頭痛…自律神経障害やPTSD
川畑はおととし(2012年)10月、長男のいる女性と結婚、同居を始めたが、半年たったころから、長男が腹痛、吐き気、頭痛などの体調不良を訴えるようになった。昨年5月下旬、病院で診察を受けたところ、ゲームのストレスによる自律神経障害と診断され、妻の留守の間に残虐なゲームを強要されていた実態がわかったという。警察でも別の医師による診断でPTSD(心的外傷後ストレス障害)も見られるとの見解を得て逮捕に踏み切った。
元東京地検特捜部検事の若狭勝弁護士は「過去にないケース。傷害罪での立件は難しいが、精神的ダメージを与えた暴力とはいえない虐待で、強要罪が適用された」といっている。
キャスターの菊川怜「今後、虐待をどのように立件していくか、これをきっかけに変わってくるかもしれませんね」