南極立往生「ロシア調査船」実は観光ツアー!閉じ込められた船の前で大はしゃぎ記念写真

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   南極海で氷に閉じ込められ立ち往生したロシアの調査船の救出劇が、国際的美談となっている。まず中国船が動き、これも動けなくなると、今度はオーストラリアとアメリカが動いた。これにフランスの学者が「時間のムダだ」と怒りの声をあげたという。どういうことなのか?

中国船、アメリカ船、オーストラリア船が大急ぎで救出に行ってみたら…

   「アカデミック・ショカルスキー号」が立ち往生したのは先月下旬(2013年12月)のことだ。知らせを受けた中国の砕氷船「雪龍」が救助に向かったが、これもまた動けなくなった。ロシア船の乗組員の多くはすでにヘリなどで救出されたが、アメリカの大型砕氷船がなお救出に向かっている。国を超えた国際的人道援助などとも伝えられた。

   ところが、ロシア船の乗組員が撮った現地の写真が明らかになると、話が違ってきた。動かない船をバックにずらりと並んでVサインの記念撮影、ペンギンとのツーショット、氷上のテントの中で大合唱する動画など、なんとものんびりした空気なのだ。

   それもそのはず、この船は調査船とは名ばかで、実態は南極観光だった。以前にこの船で観光ツアーを扱った旅行社にあった資料によると、アカデミック・ショカルスキー号はもともとは調査船だったが、改装してバー、図書室、サウナまでを備え、近年は観光に使われることが多かったという。今回の航海も目的はあくまで科学調査だが、調査に立ち会う3分の1は観光客で、科学研究自体にも新しい内容はないという。

   怒ったのが救出の後方支援にあたったフランスだ。フランス極地研究所のイヴ・フルノ所長は「この件に関してはいら立ちを禁じえません。長期にわたって練り上げられた国家の研究計画に影響を及ぼす」と怒りのコメントをだした。南極では夏のこの時期は、基地に燃料や食料を補給する大事なときで、この補給が十分にできないと、その後の調査や研究ができなくなるというのだ。

人気の南極ツアー11日間40万円~日本からも昨年700人

   小松靖アナが見せた写真では、閉じ込められた船をバックに笑顔いっぱいの十数人がはしゃいでいる。半数以上が女性で、手を振ったり雪を投げたりしている。

   司会の羽鳥慎一「複雑な事情があるのかもしれないですが、この写真を見たら、単純においおいとなりますよね。世界中が助けに行ってるのに、ハーイはないでしょう」

   萩谷順(法政大学法学部教授)「その調査が本当に必要なものなのかどうかまで疑いが出てるんでしょう? 遊びに行った人をねぇ」

   小松の説明では、南極観光は意外に身近で、昨年約2万人、うち日本人は約700人で、ツアー料金は11日間で約40万円なのだそうだ。ツアーはほとんど学術調査の妨げにならない航路をとるというが、「調査船」と称していれば、「行けないところまで行っちゃった?」(羽鳥)

   立花胡桃(作家)「それがうま味のツアーで、行けないところへ行けますよと」

   利口なヤツはどこにでもいる。

文   ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト
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