集団強姦、強盗で逮捕された容疑者が横浜地検川崎支部の庁舎から逃走し、神奈川県警は4000人態勢で行方を追っているが、8日(2014年1月)午後になってもまだ捕まっていない。なぜ容疑者がいとも簡単に逃走できたのか。
逃走した杉本裕太容疑者(20)は2日未明、仲間の男(20)と共謀して車に女性(21)を連れ込んで暴行し、15万円を奪った疑いで6日に逮捕された。7日の検事の取り調べのあと、検察事務官と警察官が立ち会って庁舎内の取調室で弁護士と接見していた。検察事務官が所要で退室したあと、警察官が杉本の腰縄がゆるくなっていたため直そうとしたときに、杉本は腰縄をすり抜け逃走した。接見の際は、人権上、手錠を外し部屋の鍵も掛けないという。
無期懲役もある凶悪容疑者!隙あらば逃げようと必死
杉本は逃走時に履いていたサンダルを捨て、白いトレーナーに紺色のスエット、黒色の靴下を履いていたが、トレーナーは支部から100メートル離れた民家の庭に脱ぎ捨ててあった。川崎支部に行ったことがある元東京地検特捜部副部長の若狭勝弁護士は警備の甘さをこう指摘した。
「接見は本来、立会人なしで行なうことができる。なので、普通は接見室はごく狭い部屋で、外から施錠ができるようになっています。ところが、川崎支部は接見室がないので取調室で行なった。取調室といっても、検事の執務室なので、外施錠はできないし室内は広い。
強姦、強盗だったら無期懲役もありますから、本人にとってみれば、かなり長期の服役を予測でき、逃げたいという思いは強い。逆に、逃げる可能性が強い被疑者という点に着目すれば、部屋の外でもいいから、警察官を待機させておけばだいぶ違った感じがすします」
文
モンブラン| 似顔絵 池田マコト