手間・ひま惜しまぬイノベーション―カギは企業が我慢できるか
国谷「なぜ企業はこれまで社員に対して柔軟な対応ができなかったのでしょうか」とクリエーターの箭内道彦に聞く。「たしかに、大手企業はこれまでベンチャービジネスを育成しようとしてきました。しかし、社員が求められたのは不退転の決意で、企業の縛りもいろいろありました。これでは自分の発想でビジネスを始めるのは難しい。企業の垣根を越えたイノベーションを作り出すというのは難しい状況にありました」という。
米倉「ある著名なケーキ職人と話をしたとき、彼はどんなに美味しいケーキを作ってもホームメイドのケーキには負けるというんですね。理由はホームメイドは時間や材料をたっぷりかけ、食べる人の好みも知っているからだと。イノベーションも時間と手間・ひまを惜しまないことがカギになると思います」
ナオジン
*NHKクローズアップ現代(2014年1月6日放送「シリーズ未来をひらく1 『二枚目の名刺』が革新を生む」)
文
ナオジン