きのう5日(2014年1月)の築地市場の初競りで、恒例のマグロの高値バトルは演じられなかった。昨年は1億5540万円というとんでもない値段が出たが、今年は736万円と20分の1。6年前のレベルに戻った。それでも、ご祝儀相場で通常の値段の2・5倍ほどだ。
青森・大間漁師「お年玉」「宝くじみたいなもん」
初競りに並んだマグロは約1700本。最高値をつけたのは青森県大間で水揚げされた230キロもので、落札者は昨年と同じ「すしざんまい」だった。木村清社長は「730万円。いいマグロを買えて最高」と笑顔だった。
大間では5日の競りに合わせて船は3日早朝に出る。4日の午前11時に出荷しないと間に合わない。それまでにどれだけの水揚げがあるかが勝負だ。今年も時間ぎりぎり、一番船が戻ったのが午前10時40分だったが、一番マグロはなんと318㌔もあった。300㌔超は3年ぶりだという。漁師たちも「ご祝儀だからね」「気合いが入る」「お年玉だ」「宝くじみたいなもんだ」といいながら期待はふくらむ。
この数年、2つのすしチェーン「すしざんまい」と「板前寿司」の競り合って、08年の600万円台から900万円台、1600万円台、3200万円台、5600万円台と年々急騰し、昨年はとうとう1億5000万円になっていた。はたして今年はどうかとみな固唾を飲んだ。
最高値は230キロものだった。競り値は大きさだけではなく、脂ののり、身の締まり具合など、さまざまな条件で決まる。318キロを揚げた漁師の泉学さんは競りを見ていたが、「しょうがないです。こればっかりは」といいながらも、「一番になってみたい」と落胆を隠せなかった。