「凄い臭い。これが工場の製造工程で混入されたとすると、周囲のスタッフはすぐに気付くはず。なぜ、誰もわからなかったのだろう」とメインキャスターの小倉智昭は、田中良幸リポーターから差し出された小瓶に入った農薬の臭いを嗅いで顔を顰めた。
マルハニチロホールディングスの子会社「アクリフーズ」の群馬県工場で製造された冷凍食品から農薬が検出された事件は何者かが混入した疑いが強まっている。
生産ラインごとに80人の作業員
これまでに農薬のマラチオンが混入されていたと思われる冷凍食品を食べ、7件の被害が明らかになっている。ある男性従業員は「作業員の制服にはポケットはありません。何も生産ラインの中には持ち込めません」と話したが、別の作業員は「制服の中に隠したらわからないセキュリティーになっていた。だから、よほどの大きなものでない限り生産ラインには持ち込めた」と証言する。
田中「農薬が検出されたのはピザやコロッケ、その他のフライ食品で、それぞれの生産ラインは約80人のスタッフがあたり、同じフロアにありました」
PB品には製造工場明記なし
小倉「これまで日本の食品は安全という信頼感があったのですが、今回の出来事で本当に冷凍食品は大丈夫なのという、不安が消費者の間で広まっているのではないです」
田中「マルハニチロは群馬工場産の冷凍食品の写真などを公開して自主回収をしています。群馬工場産かどうかはパッケージの裏側を見れば明記されていますが、問題はプライベートブランドとして生産されたもので、これには製造工場の表記がありません」
コメンテーターの夏野剛(慶応大学特別招聘教授)は「食品工場に関しては行政の規制もありません。何かを持ち込もうとしたら簡単に持ち込めるのが実情です」と話す。すでに、工場関係者や警察は犯人の絞り込みを進めていると思いが…。