逮捕されてからもヒロイン気取りでテレビ出演
マークはレベッカの虜で自分の醜さに悩む高校生である。美少女窃盗団と行動をともにし、セレブ宅から持ち出した高級品を身にまとうことで心を武装する。自分たちの行為は社会的に最低だと認めながらも、犯罪である種のスターとなった自分に酔う節すらある。びびりで自己評価が低く、対外的に格好をつけることに一生懸命で、「クールな自分たち」から外れたくないために、勧められるままドラッグに興じ、少女たちにおぼれていく。
ニッキーは2人を煽る形で窃盗団に参加する。ひときわ美しく高慢で、もてはやされることに慣れている者の驕りが香る。彼女の白眉は「逮捕後」の開き直りだ。マスコミのインタビューを積極的に受け、一連の犯罪は自分にとっての学びの場だったと語り、自分は将来教祖になり、世界平和のために働くとうそぶく。演じるのはハリー・ポッターシリーズでおなじみのエマ・ワトソンなのだけれど、目力と尊大さが役にピッタリきている。
ティーン窃盗団がセレブのクローゼットをハント!という響きから、出てくるファッション、雑貨や豪邸の様子が女子ウケ映画と見る向きもあるけれど、立派に社会派ムービーでした。しかし、スマホで自撮りに興じる美少女たちのふてぶてしさや美しさ、靴、バッグ、アクセサリーと音楽の大洪水ももちろん見どころ。着飾ってる女の子の「アタシが世界の中心よ」感はたまらんよね…
(ばんぶぅ)