週刊誌付録に堂々「春画」!ヘア・ヌードでニラまれたふた昔前…闘い勝ち取ってきた「猥褻表現の自由」

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   手元に『週刊ポスト』の綴じ込み付録「日本一美しい春画絵巻」という小雑誌がある。冒頭の月岡雪鼎の「幻の肉筆絵巻」は色遣いも美しく、男が自分自身を女性のアソコに挿入しようとしている瞬間が鮮やかに描かれている。

   『週刊現代』にもスペシャル袋とじ「世界初!動く春画」がある。また、週刊ポストには「2014年版『性生活の知恵』」という特集もある。この元本である謝国権著「性生活の知恵」(池田書店)が出たのは1960年。たちまち大ベストセラーになった。

   私は高校生だった。この本を買って授業中にクラスで回覧し、女生徒たちの顰蹙を買ったことをよく覚えている。いま見ればピノキオみたいな人形が足を開いたり、仰向けになったりしているだけだが、こういうものでも興奮した時代であった。それが今はヘア・ヌードはもちろん、春画に外性器である。だが忘れないでほしい。こうした時代が到来したのはそう遠い昔ではないということを。

   私が週刊現代で「ヘア・ヌード」という言葉をつくった1990年代の初めは、ヘア・ヌードグラビアを載せる一般週刊誌など1冊もなかったのである。ヘア・ヌードという言葉をつくる少し前だが、私が手がけたヘルムート・ニュートン撮影の「石田えり写真集 罪-IMMORALE-」(講談社)を、これも袋とじで週刊現代が載せている。この写真集はバカ売れしたが、ヘアはほとんど出ていない。

   ヘア・ヌードという言葉が人口に膾炙し、それにつれてヘアの露出も増えていったが、警視庁の人間からは「取り締まるとすれば現代かポストだ」といわれ続けていた。刑法175条のわいせつの基準は今も何一つ変わっていない。取り締まる側の胸三寸でいつでもふた昔前に戻るのである。

   わいせつ表現の自由の闘いは出版の歴史でもある。私が入社した頃も、ずいぶん日が経ってからも、自分がやっている雑誌に春画を載せられる日が来るなどと思ったことはなかった。わいせつ表現の自由は報道の自由のように、お上から与えられたものではない。私の先輩たちが闘い勝ち取ったものである。そんなことを春画を眺めながら考えた。

安倍首相「靖国参拝」米中韓反発しても「我一人行かん」…本気で中国と一戦交えるつもりかい!?

   安倍晋三首相は12月26日(2013年)午前に、東京・九段北の靖国神社に昨年12月の就任後初めて参拝したと『asahi.com』が伝えている。<現職首相による靖国参拝は2006年の終戦の日の小泉純一郎首相(当時)以来、7年ぶり。この日は第2次安倍政権が発足して1年となる>そうだ。中国・韓国の反発は必至だが、安倍首相には中韓やアメリカさえ反発しても、我一人行かんという固い決意があるのだろう。

   景気が上向き加減なことをいいことに、圧倒的な数を頼んで「国家安全保障会議(日本版NSC)」創設関連法や特定秘密保護法も成立させ、共謀罪まで視野に入れている。韓国軍へ1万発の銃弾を無償譲渡して、武器輸出解禁へと踏み出した。来年の通常国会では本丸である国家安全保障基本法案が提出される見込みだ。

   一気に「戦争のできる普通の国」へもっていこうとしている先には、中国と一戦交えようという腹があるのではないか。気弱で女々しい男が被った狼の仮面が剥がれるのはいつになるのだろう。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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