今年もっともピリッとしない引き際を演じた東京都の猪瀬知事が都庁を去った。きのう24日(2013年12月)に開かれた都議会本会議で、「真相を明らかにしろ」の野次が飛ぶ中で知事辞職が正式に承認され、この日が任期372日目という都政史上最短の元知事となった。
辞職のあいさつ回りも拒否されて…
このあと、猪瀬は各会派に挨拶に回ったが、自民党から断られ、共産党の都議からは「本来なら百条委員会でやるべきことですけど」と公開質問状を突きつけられた。猪瀬は受け取らず、一時は揉み合いになる一幕もあった。
猪瀬は午後2時過ぎ、都庁玄関に集まった職員に頭を下げ都庁を後にしたが、昨年10月、石原知事がロッキーのテーマ曲が流れるなかで女子職員から花束を贈られ華やかに去っていったのに比べると、音楽も花束もないそっけなかった。猪瀬は退庁セレモニーを断ったのだという。
次に猪瀬を待っているのは東京地検特捜部の捜査だ。評論家の宮崎哲弥は「東京地検特捜部が近々に任意で聴取をするという報道もあります。5000万円の借用証をめぐって食い違いがあるし、東電の問題もある。特捜部は聴取したうえで、犯罪を構成するかどうか慎重に判断すると思います」という。
後任の都知事を決める選挙は来(2014年)2月9日が有力視されているが、各党は年明けの1月10日前後に候補者を絞り込む予定だ。
文
モンブラン| 似顔絵 池田マコト