北朝鮮・張成沢「処刑」の罪状―軍秘密預金50億ドルねこばば、長老から鉱山利権取り上げ
北朝鮮のナンバー2だった張成沢の突然の失脚は世界に大きな衝撃を与えたが、真相はまだ伝わってこない。『週刊文春』『週刊新潮』がともに扱ってはいるが、内容的には新味はない。たとえば、週刊新潮の「生き地獄を見た北朝鮮No.2『張成沢』最後の10日間」では、処刑の様子をこう書いている。
<朝鮮日報などによると、機関銃によって90発以上の弾丸が打ち込まれ、原型を留めずに肉塊と化した遺体は火炎放射器で焼却された可能性もあるという>
なぜこうまで無残に銃殺されなければならなかったのかを、早稲田大学国際教養学部の重村智計教授がこう指摘している。<「金正日時代から、軍はいざというときのために50億ドルもの秘密資金をスイスの口座にプールしていた。
張成沢は、その管理をしていた李秀男スイス大使を直属の部下である党行政部副部長に抜擢し、軍の資金を自らのものにしてしまったと言われている。さらには、金日成とともに戦ったパルチザン世代の軍長老らが握っていた鉱山開発の利権も奪い取ったのです」>
さらに、手に入れた資金を元手にクーデターを起こそうと画策していたのは間違いないというのだが、まだまだ藪の中は深い闇である。