辞任で幕引きとはいかない「猪瀬・東電病院・徳洲会」の贈収賄トライアングル

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   猪瀬直樹東京都知事はきょう19日(2013年12月)、辞職すると表明したが、徳洲会からの5000万円問題はどうなるのか。捜査当局の手によって解明はどこまで進むのか。

   問題となっているのは東京都新宿区の東京電力病院との関係だ。猪瀬は当初、「5000万円を受け取ったが、徳洲会側から何も頼まれていなし、便宜を図ったこともない」として、「前理事長の徳田虎雄氏と会った時も、東電病院の話はなかった」と説明していた。だが、きのう18日(2013年12月)の朝日新聞が、昨年(2012年)11月6日に徳田と会った際に、東電病院を取得したいとの意向を伝えられていたと報じ、猪瀬も辞任表明の会見で東電病院の話があったことを認めた。

東電株主総会で売却迫った4か月後に5000万円

   東電病院をめぐっては、東電の株主の立場から昨年6月の株主総会に副知事だった猪瀬が乗り込み、売却を迫ったいきさつがある。徳洲会は全国展開のための都心進出の拠点として、東電病院の取得は悲願だったといわれる。

   時系列にみると、東電が売却を決めたのは昨年の2012年10月1日。約1か月後の11月6日に猪瀬は虎雄と面会し、病院取得の意向を聞く。2週間後の11月20日に5000万円受け取り、翌日の21日に都知事選出馬を表明。そして今年8月に徳洲会は東電病院の入札に参加するが、9月17日に選挙違反事件に絡み強制捜査を受けたため入札を辞退、その直後の9月25日に猪瀬は秘書を通じて5000万円を返却という流れになる。

「徳洲会側に便宜」あったかなかったか

   元東京地検特捜部副部長の若狭勝弁護士は、「東電病院に関して、猪瀬さんが徳洲会側に便宜を図ろうとしていた見返りに賄賂をもらっていたということになると、収賄罪になります。かりに収賄罪ということになると、借り入れであろうと実際にもらった金であろうと、いずれにしても賄賂になります。虎雄氏が具体的に何をお願いしたのかが今後の捜査の最大のポイントになります」という。

   司会の小倉智昭「去年の東電の株主総会での猪瀬さんの発言の記憶は鮮明に残っていますから、そういうものがつながると、えっと思っちゃいますよね。点と線がつながったような感じで、いやですよね」

   コメンテーターの中江有里(女優、作家)「これまでの猪瀬さんの言動って、わりときっぱりした感じだったので、一連のちぐはぐな答弁をみていると、どうしても疑わしいという目で見てしまうんですよね」

   これで幕引きとするわけにはいかない。まだまだ注視する必要があるようだ。

文   一ツ石| 似顔絵 池田マコト
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