楽天ゴールデンイーグルスの田中将大投手(25)がきのう17日(2013年12月)、米メジャーへの移籍の意向を表明した。日米間で合意した新たな「ポスティングシステム(入札)」では、アメリカ側の負担が軽く日本側の実入りが少なくなる。楽天はこれに難色を示し、田中投手の申し出を保留した。
移籍金20億円!松坂の3分の1じゃあ不満だけど…
新システムでは、選手を放出する球団が求める譲渡金に2000万ドル(約20億円)の上限が設けられた。米側はこれで複数の球団が名乗りをあげるとみられ、選手は交渉の幅が広がるが、球団には2000万ドルしか入らない。従来は入札で最高額を提示した球団が交渉権をもった。このため、2006年にレッドソックスに移籍した松坂大輔投手では60億円が西武へ、11年のダルビッシュ投手はそれ以上(円高で日本円では低い金額)が日ハムに入った。
今回、田中は松坂の3分の1で、楽天が合意に反対していたのはこの金額のためだ。つまりは、三木谷浩史オーナーの意向ということになる。24勝負けなし、初のリーグ優勝と日本一の立役者。VIPまで獲った投手を3分の1の値段では出したくないというのもわからないでもない。
楽天ファンも複雑だ。「メジャーでの活躍も見たいし、反面、田中がいないと優勝できないし」「いなくなると寂しいね」。半分は「アメリカへ行かせたやれ」といっているわけだ。星野監督も「行け」といっている。ここで球団がノーといったら、日本中が敵に回るだろう。
田中はこれまで移籍について発言を控えてきたが、合意ができたことを受けて、球団の立花陽三社長に「メジャー挑戦の希望」を伝えた。 会見で「来シーズンは新たなステージで挑戦したい」と話した。「ダメでも楽天でがんばる」とは、できた答えだった。