16日(2013年12月)も東京都議会総務委員会で、猪瀬直樹の5000万円問題の集中審議が行われ、猪瀬は再三にわたってこれまでの説明の訂正に追われた。
5000万円について、「妻名義で開設した貸金庫(東京・西麻布の八十二銀行青山支店)に入れいっさい手を触れていない」と説明していたが、実際は今年5月10日に横浜銀行つくし野支店の貸金庫に移し変えていた。5000万円を返済した日を「今年9月26日に秘書がタクシーで運んだ」としていたのを「今年9月25日」に訂正したほか、秘書が使ったのはタクシーではなく公用車だったことを明らかにした。
さらに、昨年の都知事選挙の収支報告書に4人の選挙スタッフの宿泊費81万6000円が記載されているが、スタッフのうち2人が「宿泊費はもらっていない」と話し、宿泊費の領収書の名前に誤字があり、領収書偽造の疑惑も浮上している。
末節ばかり突いて肝心の「金の趣旨」踏み込まず
この日の集中審議は10時間に及び、議員側から知事辞任を促される一幕もあったが、猪瀬は相変わらず拒否した。精神科医の香山リカは「細かいところも問題だが、そもそも5000万円がいったい何のお金なのか。『そもそも』というところが気になります。なんのお金かで問題の性質がまったく変わってきますからね」と、なかなか本丸攻めにいかない都議会に苛立ちながら話す。
東大教授のロバート・キャンベル「『そもそも』はまだあります。議会として責任ある結論を出すために、やはり百条委員会を設置して白黒つけるのが普通ですよ。議員は自分たちの保身もあって、解散に行かないように辞任に追い込もうとしているように見えます」
これ以上、知事を続けるのは百害あって一利ないところまで来ている。