対等な恋愛関係を理解できない男たち
昔からある男女の痴情とストーカーとどう違うのか。桐生正幸・関西国際大教授は「男性中心だった恋愛関係が、いまは対等になっています。これを男性が理解できず、新しい関係を作れない。やっちゃいけないことを学べない」という。
これをどうやったら気づかせ変えられるか。加害者対策は民間で始まっていた。横浜のNPO法人「ステップ」は加害者を対象に更生プログラムを実施している。先の千葉・市川での事例を参考に、「もし自分だったら」と問う。元ストーカーやDVの加害者が語る。「なんでオレだけと怒り」「ひと思いに殺して自分も自殺しよう」―この誤りに気づかせるのが目的だ。
「自分の所有物が勝手に出ていった」といっていた男性が9か月の参加で「彼女の生き方を尊重するようになった」という。別の男性は別れた妻と一緒に訪れた。妻は「意見を聞いてくれるようになった。変わった。顔つきまで変わった」と話す。しかし、参加者はごくわずかだ。大半のストーカーは自分がストーカーだと気づいてもいない。来ない人をどうするかが課題だ。
だれだって恋愛には初めてがある。振られるのも当たり前のことだ。そこでいきなり殺すか。心理分析はともかく、ただの幼児化ではないのか。この思いがどうしても拭えない。
*NHKクローズアップ現代(2013年12月12日放送「ストーカー加害者の告白~心の闇と対策~」)
文
ヤンヤン