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「週刊文春」「週刊新潮」足並みそろえて朴槿恵大統領叩き…他国トップ批判なにが目的?

   『週刊新潮』と『週刊文春』が示し合わせたように韓国の朴槿恵(パククネ)大統領批判を巻頭でやっている。週刊新潮が「身内に犯罪者『朴槿恵大統領』孤独の夜」、週刊文春が「日本人は知らない 韓国マスコミが突いた朴槿恵大統領の『急所』」。ともに朴大統領が対日強硬派であることを難じている内容であるが、他国の大統領をここまで批判するのは、何が目的なのであろう。膠着状態にある日韓関係を憂い、首脳たちの対話を促すなら、こうした記事がマイナスに働くこと間違いない。それとも、両誌は日韓の緊張をさらに高めてほしいのだろうか。

   ともあれ、週刊新潮から見てみよう。大手新聞のソウル特派員はこう話す。<「行政府、立法府から司法府まで、あらゆる勢力がコングロマリットの如く、反日を規範に行動しているのが今の韓国です。朴大統領の父親・朴正熙(パクチョンヒ)は、KCIA(中央情報部)の部長などを側近にして、16年にわたり独裁者として恐怖政治を敷きました。程度の差こそあれ、彼女もそのDNAを受け継ぎ、独断主義を通しているので、怖れられているわけです」

   諫言できるブレーンもいなければ、彼女には夫もいない。では、兄弟姉妹はどうかというと、これが醜聞だらけだという。妹の朴槿令育英財団前理事長は契約金名目で7000万ウォン(約640万円)を騙し取ったとして、詐欺罪で有罪判決を受けている。実弟の朴志晩は覚せい剤使用で保護観察処分。しかも、同罪での摘発が1989年の初犯以降5回もあるというのである。週刊新潮はこう書いている。

<「心から頼れる身内もいない朴槿恵大統領。反日に凝り固まる彼女は、他の多くの政治家とは違い、夜の懇親会の会合は入れず、青瓦台で独りの時間を過ごすという。夜毎、ドラマを見ながら、ひとり酒を傾けつつ……」>

   さながら寂しき青瓦台の女王といった趣である。さらに、朴槿恵大統領が昨年(2012年)の大統領選で目玉の公約に掲げたのは「国民幸福基金」という現代版徳政令と「高齢者向け年金の給付」だった。ジャーナリストの勝又壽良氏がこのように解説する。

<「韓国は財閥企業による輸出依存型経済です。結果、個人より企業に富が集中し、貧乏人が増える格差社会になっている。個人消費が落ち込み内需が低迷し、10年ほど前からクレジットカードを利用しようというキャンペーンが起きました」>

   その影響で個人債務者が急増してしまった。一般家庭の債務の総額は2002年で464兆ウォン(40兆円)だったのが、12年には963兆ウォン(84兆円)にまで増加したそうだ。勝又氏がこう続ける。

<「韓国では04年以降、これまで負債減免政策は3回行われ、今回の『国民幸福基金』で4回目。過去3回の徳政令の元金減免率は30~50%だった。今回は一律50%で、生活保護を受給していれば、なんと70%も減額されるのです。これまでにない大盤振る舞いと言えます」>

   この非常識な経済政策で国内経済はガタガタだという。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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