天文愛好家に何があったのか。おととい10日(2013年12月)午後9時ごろ、富山県高岡市のアルミ製造会社役員・浜谷輝夫さん(52)が自宅駐車場脇で何者かに刃物で肩などを刺され死亡した。黒っぽい服装の男が逃走したという目撃情報があり、警察は殺人事件とみて調べている。
自宅駐車場で待ち伏せ刺殺―強い恨み持つ犯行
浜谷さんが倒れていた状況から、車で帰宅直後に待ち伏せしていた犯人に襲われた可能性がある。肩の傷のほか、顔や手にも複数の切り傷があることから、向かい合った状況で襲われ、揉み合いになったようだ。肩の刺し傷は肺にまで達しており、強い殺意がうかがえる。
浜谷さん方では今年7月に盗難被害があり、現金数十万円や指輪など貴金属が奪われたが、今回は財布など所持品を物色されたあとはなく、刺し傷の状況などから、恨みによる犯行ではないかとみられている。浜谷さん宅は小学校と隣り合わせになっており、不審な男は裏側のフェンスを越えて小学校の方向へ逃げたという。
面倒みよく出身高校に天体望遠鏡寄付
浜谷さんは資産家で、地元でよく知られた人物だった。富山県天文学会の会長を務め、自宅には500万円ともいわれる本格的な天文台を備え、たくさんの望遠鏡をコレクションしていた。2年前には高校生にも天体に親しんでほしいと、出身高校に天体望遠鏡を寄付していた。野球部のOBで大会に出場するときは差し入れをするなど、親分肌で面倒見がよく、子どもたちにも慕われていた。
仕事も熱心で、兄の経営する会社の役員として毎朝6時頃出勤し夜遅くまで働いていた。知人たちも「人に好かれるタイプでトラブルはなかった」といい、恨みをもって襲われるような人物像は浮かんでこない。
キャスターの小倉智昭「周囲の方から非常に評判のいい人のようですね。天文をやる方って、実直そうな感じじゃないですか」
コメンテーターの中江有里(女優・作家)「なにか、ちょっとロマンチストの感じもしますし、子どもたちにも貢献されていたということですが、非常に強い殺意があったと想像できますね」
小倉「何か、意外な犯行動機があるのかもしれません」
宇宙たに思いをめぐらす天文愛好家と凄惨な事件が結びつかない。