ノロウイルスの感染が猛烈な勢いで広がっている。東京都やさいたま市では昨年(2012年)を上回るハイペースになっていて、ピークとなる年末を前に「流行警報」を出した。ゲストの水道橋博士(タレント)は「ウチは子供が 人いるんですが、毎年必ずやられてしまいますね」と話す。いまのところ治療薬はなく、こまめな手洗いなどの予防策だけだが、最近の研究で母乳やナチュラルチーズに含まれる糖たんぱく質のラクトフェリンが抵抗力を高めることがわかってきた。
家族に感染出たら「消毒・処理」この3点セット
ノロウイルスは感染者の便や吐いたものが手や体に付き、それが口から入って広がる。かなりしぶといウイルスで、普通の洗濯ぐらいでは落ちないし、嘔吐した部屋に一緒に寝ていただけでうつることも多い。東京都健康安全センターの猪俣明子・生態影響研究科長は消毒と嘔吐処理の方法を教える。
「マスク、使い捨てのゴムかビニールの手袋、ひざ下までのエプロン(ビニールレインコート)が嘔吐処理の3点セットです。消毒薬は市販の塩素系漂白剤を500ミリリットルのペットボトルに水を入れ、ペットボトルのキャップ2杯分の漂白剤を加え作ります。キッチンペーパーに消毒液をたっぷりしみこませて、外側から中心に集めるように拭き取ってください」
終わった後はもちろん手洗いだが、換気も忘れずにという。空中に舞い上がったかもしれないウイルスを室外に出すためだ。
糖たんぱく質ラクトフェリン摂取で感染率低下
ゲストの室井祐月(作家)「かかってからの対応も大切なのだけけど、どうしたらかからないようになるのかを知りたい」
ノロウイルスに関しては治療薬もワクチンもなにのだが、母乳の初乳やヨーグルト、ナチュラルチーズなどに含まれるラクトフェリンに予防効果があるらしいのだ。飲料メーカーが実験したところ、ラクトフェリン100ミリグラムをを1週間に1回摂取したグループの感染率は8%だったが、週2~3回摂取したグループは1・8%、毎日摂取のグループは0・6%と激減したのだ。
100ミリグラムをチーズで摂ろうとするとどのくらいの量なのか。ゴーダチーズだと100グラム、カマンベールチーズだと170グラム近くだ。
室井「そんなに食べられないよ」
山田大樹アナ「その通りですし、どういうメカニズムで効果があるのかなどもまだわかっていません。データ的にはそうなるという段階です。また、チーズを加熱したら効果はないそうです。ヨーグルトもなんでもいいわけではなく、ラクトフェリンが加えてあるものでなければダメだそうです」
要するに、トイレから出るとき、帰宅したときは真っ先にてお洗うということだ。また、家族に感染が出たら、他の子供たちは別の部屋に移すこと。ノロウィルスは空気伝染はしないが、嘔吐したものが乾燥して部屋の中に漂い、それを吸った家族に伝染する。
(磯G)