安倍政権の強引さが目に余る特定秘密保護法になぜか触れずにきた「スッキリ!!」が初めて取り上げた。リポーターの阿部祐二の「特定秘密保護法案とはどのようなものなのでしょうか」という問いに、日本テレビ政治部の田中秀雄記者が次のように解説した。
「日本の安全保障に支障を与える情報を特定秘密に指定して、一定期間保護しようというものなんです。そういった情報を外部に漏らした公務員は最高で10年以下の懲役を科すという重い罰則をあります」
来週末13日のアセアン特別首脳会議の「手土産」
問題は秘密の範囲が「防衛、外交、スパイ活動の防止、テロの防止」と漠然としていて幅広いうえ、秘密の項目を指定するのが行政機関の長であることだ。国民は秘密の中身を知らされないまま、何でもかでも秘密に指定し、政権や官僚組織にとって都合の悪い事を意図的に隠してしまう恐れがある。しかも、秘密指定の妥当性をチェックし歯止めを掛ける機関すら政府内に設けようとしている。これでは、すべてを秘密にし、国民の口を封じで戦争に突き進んだ戦前の悪夢を思い起こす人も多いに違いない。
与党は国の将来を左右する重要な法案を衆議院で20日間にわずか45時間の審議で採決強行、参院にいたっては8日間で22時間の審議しかしておらず、拙速と批判されても仕方がない。
なぜ与党は成立を急ぐのか。田中記者によると、13日(2013年12月)に予定されている安全保障の連携強化を話し合うアセアン特別首脳会議にこの成果を持参し、各国から機密保護が十分でないとみられていることを払拭したい考えがあるのではという。
採決強行で決めていいような法律なのか
キャスターのテリー伊藤「この番組で取り上げるのは初めてですが、この段階で決めるのはちょっと早すぎる。毎日、永田町界わいを通るが、人がいっぱいいる。原発再稼動問題でもそうでしたが、政府が強行にやればやるほど人は膨れ上がっていきます」
菊池幸夫(弁護士)「行政府にイニシアチブを与えるのはわれわれ国民からすれば、秘密の範囲が見えにくくなる。強行で決めるのはちょっと早いですよ」
しかし、法案成立が事実上決まってから取り上げてところで、何の役にも立たないではないか。喧嘩のあとの棒ちぎりというやつだ。