「ファミリーレストランが回転していると思えばいいんだね」とキャスターの小倉智昭がいみじくもいったように、回転すしの世界が様変わりしている。禁じ手といわれていたコーヒーをメニューに加えたところもあれば、フランス料理が回ってくる店もある。背景には激化する生き残り戦争があり、業界再編の動きもでている。
注文するとダイレクトで届く「特急レーン」
コーヒーを始めたのは「くら寿司」だ。香りが強いのと回転率が悪くなるということでタブー視されていたが、他店との差別化を図るために踏み切った。コーヒーのほかにも、ラーメンやデザートのケーキもある。「あじわい回転寿司 禅」は、フランス料理のサイドメニューが75種類、ワイン中心に酒も1000種類近くある。「フレンチの技法を使うことによって、保存がきくようなるので、廃棄ロスをなくせる」効果もあるという。
「海鮮三崎港」は特急レーンが売り物だ。タッチパネルで注文すれば、つくりたてが一直線に飛んでくる。客へのサービスと同時に、ここでも「注文だけ作るので廃棄ロスが減る」とコスト削減を期待する。
こうした新戦略について木下康太郎アナが解説する。回転すしは円安による原材料の高騰や他業種からの参入、さらには消費税引き上げによる節約ムードも予想され競争が激しくなっている。これまでと同じことを続けていては生き残れないというわけだ。
文
一ツ石| 似顔絵 池田マコト