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タイ・プーケットでも幅利かす中国・韓国!マンション買い漁りニューハーフショーもアリランだった…

   1週間ばかりタイのプーケット島で遊んできた。雨季ではないのに激しい雨や雷に見舞われ、予定していたピピ島クルーズは中止になり、波の荒い海辺で日がな1日ボーッとしていた。

   それでも美しい夕陽を2度見られたのは幸運だった。以前から朝日よりも夕陽のほうが好きだったが、人生の日没が近くなるととりわけ夕陽の美しさに心惹かれる。夕陽が水平線に沈んだ後、しばらくすると空が茜色に染まる。オレの人生も日没前に、一瞬でもいいからあの空のように輝いてみたい。そんなことをシンハービールを飲みながら考えていたので、読まなくてはいけない本を2冊持っていったが、20ページも読めなかった。

   プーケットは相変わらずのんびりしているが、タイの首都バンコクは政情不安で揺れていた。反タクシン元首相派のデモ隊数千人がバンコク市内の財務省や予算庁、外務省、広報局を占拠してしまったのだ。インラク首相は治安当局の権限を強化する「国内安全保障法」をバンコク全域と近隣の県、スワンナプーム国際空港周辺に発令した。

   地元の人間に聞くと、この争いは南北間の戦いだという。タイ北部の中低所得層が支持するタクシン派と、特権階級とバンコクの中間層や民主党の支持基盤であるタイ南部の反タクシン派のいがみ合いは底なしで、このままいくと南北で分断するしかないのではないかといっていた。木曜日の深夜に向こうを発ったのだが、ものものしい警備と手荷物検査の厳重なところに、この紛争がただごとではないことを感じさせた。

   もう一つ気が付いたのは、かつて日本人が溢れていたプーケットだが、今は韓国人や中国人のほうが幅をきかせているようである。バトンビーチにある「サイモン・キャバレー」でニューハーフショーを見たが、ここでもアリランや中国の歌をバックに綺麗な男たちが見事な踊りを披露し、日本の曲はかからなかった。私が泊まったホテルの隣に新しくできたリゾートマンションを、中国人が金にあかして買い漁っていると聞いた。タイは日本との交流が古くからあるところだが、観光に関しては韓国や中国に押されているようである。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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