「グリー」「ディー・エヌ・エー」「ミクシー」凋落の原因は「頭固い経営者」
IT企業の栄枯盛衰は激しい。『週刊現代』はグリー、ディー・エヌ・エー、ミクシーの3社を取り上げて、「突然儲からなくなった会社 何が起きたのか」という特集をやっている。田中良和社長(36歳)が楽天を退社してグリーを設立したのは2004年のことで、携帯電話用ゲームという市場を開拓するや爆発的な成長を始め、会社設立からたった4年で株式を上場した。田中氏は30代前半にして、米誌『フォーブス』が選ぶ世界の富豪ランキングに名を連ねる成功者に躍り出たものだった。
世界展開もして、IT企業の先頭を走っていたのに、現在の営業利益はピーク時の3分の1の水準で、希望退職を募ったら社員の1割強の希望があり、見る影もなく凋落していっているようだ。
ディー・エヌ・エーも携帯電話用ゲームサイト「Mobage」が大ヒットし、横浜ベイスターズを子会社化してプロ野球に参入したが、直近4半期は連続して営業減益と成長に陰りが見えている。SNSの先駆者だったミクシーの凋落はいまさらいうまでもない。
グリーとディー・エヌ・エーはスマホの急速な普及に対応できなかったのが大きいという。それだけではなく、元マイクロソフト日本法人代表の成毛眞氏は経営者に問題ありというのだ。
<「あっという間に競争のルールが変わるネット業界では、成功するが故に失敗してしまうということがよく起こる。そして、昨日の勝者があっという間に敗者に落ちこぼれる。ネット企業の経営者は若いから柔軟性があるように見えるが、そんなことはなくて、成功体験をガンコに貫いてしまう頭の固い人間が多い。
栄枯盛衰の激しい業界だが、敗北の真の原因は変われない経営者にある」>
いま盛りのLINEや「パズドラ」で当たっているガンホーも、いつまでも栄耀栄華を極めているわけにはいかない。経営者も会社の業態も世の中の変化について行かなくては、利用者から見放される厳しい業界である。利用者は常に目新しいものを探し、それに飛びつけばいいのだから。
マイクロソフトも一時の勢いはなく、Googleも不安説が囁かれ、いまのところ勢いが衰えないのはAmazonだけである。5年後にはIT業界の勢力地図もガラッと変わっているかもしれない。