7月(2013年)の参院選の無効を求める訴訟で、広島高裁岡山支部がきのう28日(2013年11月)、弁護士らの訴えを認めて岡山選挙区の選挙を「違憲・即時無効」とした。
争点は1票の格差だ。今回は最大で4.77倍だった。判決は定数配分の合憲性について、格差が4倍を超える選挙区が6区、3倍を超えるのが11区もあることから、「違憲の問題が生じる程度の著しい不平等状態」とした。さらに、2009年に最高裁が「選挙制度の抜本改革」を求めたにもかかわらず、国会がこれを放置し「4増4減」で済ませたと、きびしく批判したうえで「違憲」とした。
広島高裁「7月の参院選・岡山選挙区は即時無効」
弁護士グループの訴訟は全47選挙区に及ぶが、これが最初の判決となる。判決は「全選挙区が無効になっても、2010年の選出議員と比例代表選出議員で参院活動は可能」として、即時無効と判断した。「47人がいなくても参院には支障がない」というのだから手きびしい。参院選では初の無効判決だ。
与良正男(毎日新聞論説委員)「参院て何のためにあるんだろうと、もう1回考えないといけないいい判決だと思いましたね。1票の格差是正の一番手っ取り早い方法は、鳥取と島根を一緒にしてしまうことですよ」
司会の井上貴博アナ「一緒にする?」
与良は「2つをひとつにする。でも、受け入れられないでしょうね。憲法は衆院も参院も『国民を代表した』としか書いてない。『地方を代表した』とは書いてない。だから1票は平等であるべきだとなるわけです。逆に、参院は『地元の代表』とするとすっきりする」と力説する。ドイツの制度などもひいて「ボクは憲法改正はこっちからやるべきだと思っています」
憲法では国会議員は「地方の代表でなく国民の代表」
さらに、与良正男(毎日新聞論説委員)はこうも言う。「突き詰めれば、二院制が本当に必要なのかどうか、いままさに問われているわけです。秘密保護法案で衆院と同じだったら要らないじゃないかといわれてる。そういうことまで考えないと。参院議員自身が国の代表なのか、地方の代表なのか考えないと解決しません」
「どうせまた小手先でやる。衆院でも小手先でやるもんだから、憲法違反だという判決が出る」
もう与良の独演会だ。でも、その通り。1票の格差を突き詰めると、人口密集地に議員が偏ることになる。平等をいいつのれば、島根、鳥取はとうの昔に議員を出せる人口を割っているのだ。
そもそも、新憲法でGHQが示した最初の草案は1院制だった。日本側が貴族院の改組で「公選制」の条件で付け加えたのが参院だ。選挙区割りが衆院のカーボンコピーといわれる現状を作っている。この議論を大いにやってほしいところだが、「朝ズバッ!」は対応できなかった。おそらく来週あたりに、悠々ととりあげるのだろう。