特定秘密保護法案がきのう26日(2013年11月)、衆院を通過した。政治家・官僚による恣意的な秘密の指定が可能で、それが妥当かどうかのチェック機能もない。「知る権利」を奪われるという国民の疑念は数で押し切られた。小選挙区制のツケといえるかもしれない。
賛成の「みんなの党」「自民党」からも造反
夜になった本会議では、自民、公明、みんなの党の賛成多数で可決した。修正で合意していた日本維新の会は「審議が不十分だ」と退席。みんなからも3人が造反し、自民からも1人が退席した。維新の松野国会議員団幹事長は「なんでこんなに焦るのか。明後日なら賛成と伝えてあったのに」という。
維新はこの日の委員会で、秘密指定の当否を判定する「第三者機関設置」の合意を確認していたが、安倍首相は「設置すべく努力する」とあやふやになり、「設置しないこともあるのか」と追及されると、「設置すべきだと考えている」と努力目標になってしまった。その直後の強行採決で、維新は寝転んだ。
民主党の海江田代表は「巨大与党の暴走が始まった日」と非難したが、自民の石破幹事長は「参院での審議で国民の懸念が払拭されていく」といった。つまり、国民の懸念が大きいことは百も承知なわけだ。
おととい福島で開かれた公聴会では、意見を陳述した7人全員が反対・慎重審議を表明したが、そのひとり名嘉幸照さんは強行採決の報に「われわれの意見は国会で何の議論にもならない。福島を利用したのか。ただのパフォーマンスか」と怒る。
文
ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト