患者数1330万人。いま新たな国民病になっているのが慢性腎臓病だ。1対30と圧倒的に女性に多く、30代や40代で発症する人が急増する。「原因は働く女性が増え、トイレを我慢して水分取らないためのようです。腎臓病はきちんと治療しないと、死にいたる大変怖い病気なんです」と塚原泰介アナが伝えた。
「疲れやすい」「貧血」「手足の浮腫み」「腰痛」がシグナル
千葉県在住の加賀谷知美さん(40歳)は5年前に腎臓病に襲われた。美容師で多忙な毎日だったが、会社の健康診断では異常はなかった。京都旅行の前日の深夜、背中を棍棒で殴られたような激痛と40度の高熱が出た。風邪かと思い旅行を続けたが、高熱は引かず、2泊3日の旅行中に一睡もできなかった。
帰宅してから病院に行くと、「腎盂腎炎でした。最悪の場合は死ぬし、慢性になると人工透析で長い間通院が必要になると言われました。治るまで1週間はかかりました。原因はトイレに行かず、水も取らずに仕事をしていた事のようです。いまは毎日2リットルの水をかかさず飲んでいます」と知美さんは言う。
東京大学大学院の南学正臣教授がアドバイスする。「決してトイレを我慢しないこと。オシッコは体内の毒素を洗い流す役目があるんです。喉が渇いた時には必ず水分を補給してください。また、大便の時にお尻を拭く時は、前から後ろに拭くようにしてください。雑菌が尿道から入ると膀胱炎になり、繰り返すと腎盂炎になります」
塚原「慢性腎盂炎の症状はさまざまです。激しい頭痛、背中や腰の激痛、高熱や吐き気。血尿(血が混じる)、膿尿(白く濁る)などが出ますが、疲れやすい、貧血が起きやすい、手足に浮腫みがある、腰痛があるなども腎臓病のシグナルですから、こうした自覚症状があったら診断を受けて下さい」
健康診断で「クレアチン」必ずチェック
血液検査で腎臓の状態を判断することができる。
塚原「クレアチンです。運動などで筋肉を動かすと代謝されてできる老廃物で、健康体なら尿に含まれます。腎臓機能が衰えると体内に戻ってしまうので、数値が高ければ腎臓機能が低下していると分かります」
血液検査の項目になくても、500円程度の追加負担で検査してもらうことができる。数値の基準は40代女性で0・9以上なら慢性腎臓炎だ。
「もう一つは尿たんぱくの数値で、2プラス以上は腎疾患と思われます。尿たんぱくが出ているかどうかはオシッコの泡立ち具合いで分かります。泡が長い間消えないようなら疑った方がいいですね」(南学教授)
(磯G)