医療法人「徳州会」から無利子無担保の現金5000万円を受け取ったいた東京都の猪瀬直樹知事。記者会見に応じるたびに説明が変わった。
【22日(2013年11月)午後1時過ぎんのぶら下がり会見】
「えー、昨年の、えー、11月ぐらいに、あのお、石原前知事が突然辞めるということで、これから出馬しなければいけないということで、挨拶回りにあちこち行きました。そのとき徳田さんのところにも行きました。資金提供を後日するとういう話になって、資金提供という形で応援してもらうことになった」
【2時間後の記者会見】
―お金を受け取ったのは立候補の後か?
「えー、それは記憶がはっきりしていませんが、個人の借り入れとして、たまたまお借りしてということです。選挙の資金ではありません」
その証拠として借用書が存在していることを挙げている。
―(借用書は)貸した側の名は徳州会という団体なのか個人名なのか?
「えー、分かりません。名前も見てませんでした」
―お金を渡されたのは徳州会関連の徳田毅議員(徳田虎雄全理事長の次男)ですか?
「えー、直接ご本人にお確かめ下さい」。再度促され「徳田毅議員です」
―資金提供の話はどちらが持ち出したのか?
「申し出がありまして、お断りするのも何かいけないような感じがありまして、取りあえずお預かりすると」
最初は「資金提供という形で応援を」と言いながら、「個人の借用」と言い換え「個人の借用」と言いながら、「取りあえずお預かり」と矛盾だらけだ。
都知事選立候補との関連明らか
元東京地検公安部長の若狭勝弁護士は「公選法違反とか、政治資金規正法違反にならないように、個人の借り入れだと強調しているんでしょうね。目の前の火の粉が降りかかるのを懸命に振り払おうとして、汲々としている感じを受けます」と感想を述べながら、次のように解説した。
「東京地検特捜部が刑法の贈収賄を視野においているのは間違いないでしょう。結果的に立件できるかどうかは別にして、贈収賄という極めて悪質な犯罪があるのかないのかを重点に考えていると思います」
キャスターの小倉智昭「通常の借り入れでも、無利子無担保というのはないですよね」
若狭「借りた場合でも、無利子無担保なら利益が生じるので、賄賂になりうる。ただ、たとえば、知事になったら病院の建設に便宜を図ってくれという具体的な証拠が認められなければならない。高いハードルがあります」
夏野剛(慶応大特任教授)「若狭さんがいうように、選挙の時に具体的に言わないで応援し、後でお願いする人が多いのではないですか。猪瀬さんは初めてで慣れていなかった感じですね。プロの政治家はうまく処理しながら生きている気がする」