ゴリ押しではやっていけなくなった中国…本音は「領土・領海問題棚上げで経済関係拡大」

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   国谷裕子キャスターの中国リポートの第2弾は中国の外交方針だ。習近平体制は「中華民族の偉大な復興」をスローガンに、海洋強国を標榜して海軍力を増強し、日韓はじめ東南アジア諸国とも摩擦を起こしている。中国は何を目指すのか。

日本企業の「中国離れ」に地方は危機感

   先月(2013年10月)、四川省成都で開かれた国際見本市に日本から30の企業・団体が参加した。昨年(2012年)は尖閣問題と反日デモの中で参加はゼロだった。同じ頃、北京では日中の民間団体による「北京・東京フォーラム」が開かれ、政治家、企業経営者、軍幹部が経済や安全保障を3日間話し合った。尖閣問題ではむろん折り合えなかったが、「話し合いを続ける」との共同宣言が出た。

   1年経って変化は表れていたが、反日デモは日中双方に深い影を落とした。3年前に江蘇省に工場を作って生産拠点としていた中堅の空調メーカー「西部技研」は、税関が突然輸出手続きを止めたのが忘れられない。いま日本での生産を再開し、さらには東南アジアへの分散も考えている。

   河北省唐山市では、日本企業誘致のために設けた「日中エコパーク」の建物がほぼ空き家のままだ。デモのあと見学が止まり、交渉中だった案件もご破算になった。市の担当者は「毎日、日中関係を心配している」という。

   政府の外交政策に助言している王逸舟・北京大学国際関係学院副院長に国谷が聞いた。「日中関係改善の動きは出ているのでしょうか」。王氏は「出ています。しかし、まだ十分ではありません」と話す。「日中の指導者は困難にあっても、友好を保たないといけない。領土問題を封じ込めて、他の分野、観光や貿易を増やさないといけないのです」

   その領土問題については「中国は領土問題では譲らない。緩めることもない。といって、人、経済、社会の動きは止められない。みんなわかっているんです。過激派はほんの一部にすぎない。習主席も李首相も安倍首相と議論すべきで、これが出発点になります。でないと、他の分野での交流活発化はむずかしいですよ」と王氏は言う。

   東南アジアとの摩擦も深刻だ。中国海軍の南シナ海への展開にフィリピンは大型軍艦の配備で応え、ベトナムでは「Chinese Go Home」のデモが起る。アメリカのオバマ大統領も「アメリカは太平洋国家だ」と関与を深めると公言した。これに対して、習主席も各国を訪問して「運命共同体を作ろう」と呼びかけている。

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