先日、宝くじのロト6の詐欺事件を取り上げたばかりだが、今度は7年先の東京五輪開会式の入場券をエサにした詐欺未遂があった。ロト6では当せん番号がさも事前に入手できるかのように装って騙す手口だったが、オリンピックがらみは少し手が込んでいる。
「12万5000円を宅配便で送ってください」
先月上旬(2013年10月)、岐阜県高山市に住む60代の無職の女性のところに男の声で電話がかかってきた。「東京五輪チケットの当選の葉書がきませんでしたか。限られた人しか届かないので(チケットを)売ってほしい」という内容だった。届いていないと答えると、「近日中に届くはず。そのころまた電話します」といって電話を切った。
すると数日後、男の言う通り、大手旅行会社の近畿日本ツーリスト名義で「オリンピックの開会式特別シート先行予約販売!SS席12万5000円」と記された葉書が届いた。転売すれば儲かるという話だ。興味をもって、記載されていた旅行代理店の電話番号に電話すると、近畿日本ツーリストを名乗る男が「現金を宅配便で送ってくれ」といってきた。えっ、宅配便?それでおかしいと思い、近畿日本ツーリストの営業所に問い合わせると無関係と分かり被害を免れた。近畿日本ツーリストは東京五輪のチケット販売は現在行っていないとホームページでも注意喚起している
。チケットの販売日、価格、販売方法いっさい未定
リポーターの井口成人が「予約販売の葉書が届く」と最初に電話してきた東京都中央区の会社の住所を尋ねた。しかし、そこは大手製薬会社の本社ビルで、その会社とはまったく関係がなかった。そこで、近畿日本ツーリストを名乗る会社に電話をしてみる。「おたくは本当に近畿日本ツーリストなんですか」
若いとみられる男が出た「ええ、そうなります」
テレビ朝日と名乗ると、「お葉書をお送りさせていただいた方限定で、それ以外の方にはお答えしかねます」
井口「いま五輪の予約販売はあり得ないわけですから、詐欺的行為なんじゃないですか」 男「私どもがですか? ちょっと細かいところまではお答えできません。私もただのペーペーでございますから、必ず責任者から追って連絡します」
司会の羽鳥慎一「現状ではオリンピックのチケットの発売はないということですよね」
アナウンサーの小松靖「ないです。JOC(日本オリンピック委員会)によりますと、発売日や価格、販売方法などまったくの白紙ということです」
羽鳥「番組でも何回も取り上げていますが、儲かる話が向こうからやってくることは絶対ないですよね。こんないい商品があります。あなたしか買えませんから買ってください。後で高値で買い取りますという典型的なパターンですよね」
玉川徹(テレビ朝日ディレクター)「詐欺集団は常に新しい付け込み先を見つけようとしていますから」
油断も隙もあったものではない。