儲け話をエサにした詐欺が後を絶たないが、今度は数字選択式宝くじ「ロト6」だ。事前に当選番号を教えると持ちかけ、静岡県の無職女性(57)から約3200万円をだまし取ったとして、埼玉県三郷市の職業不詳、北村大樹容疑者(21)ら14人がきのう18日(2013年11月)までに詐欺容疑で逮捕された。警視庁によると、被害者は全国の約100人に及び被害総額は1億5000万円に上るとみられている。
銀行が仲介しているように装い「あなただけに…」
「情報料を払えばロト6の当選番号を教える」という手口だが、「モーニングバード!」は以前に被害にあったという男性(69)に話を聞いた。今年7月(2013年)、「ロト6で儲けてみませんか」と知らぬ男から電話がかかってきた。半信半疑だったが、「あすの新聞で発表される」と電話で聞いた当せん番号を翌朝確認すると、確かに当たっていた。すっかり信用したAさんに男は「1300万円を目標にやろう。それには当せん金の30%の情報料が必要だ」と言ってきた。Aさんは総額265万円払ったが、当せんすることもなく、男とも連絡がつかなくなった。当せん番号は抽選日にインターネットで発表されている。そのことを知らない人に前もって入手したかのように装い信用させていたのだ。
Aさんがだまされたのには、もうひとつ仕掛けがあった。男は「銀行が仲介しているから大丈夫」と安心させ、会員になるようすすめ、「1000円払えば書面を送る」と入会書にも記入させられた。1000円という手ごろな金額、もっともらしい入会書もだましのテクニックのひとつだった。
文
一ツ石| 似顔絵 池田マコト